《ブラジル》強盗事件の資金提供者を逮捕=アラサトゥーバ「恐怖の夜」の黒幕

事件後の捜査で押収された爆発物など(Polícia Militar/Divulgação)

 サンパウロ州市警は7日夜、8月末にアラサトゥーバ市で起こった銀行強盗、殺人、誘拐(人質として)、爆破などの行為を行った強盗たちに資金提供を行っていたとされる容疑者を逮捕した。8日付現地サイトが報じている。
 今回逮捕されたのはパウロ・セーザル・ガブリル容疑者(33)で、7日夜、同州内陸部のソロカバ市でつかまった。同容疑者は強盗や殺人、麻薬密売の前科や逮捕歴があった。また、同容疑者夫人のミシェレ・マリア・ダ・シウヴァ(40)、エメルソン・エンリケ・ジアス(25)両容疑者も、ガブリル容疑者が指揮し、複数の州で活動している犯罪組織に所属し、麻薬密売や窃盗に関与していたとして逮捕されている。
 さらに同容疑者が所有していた高級車2台と、犯罪組織関連の書類も押収された。

 この事件は8月30日夜にアラサトゥーバ市内で発生した、20人の犯罪集団が行った三つの銀行での強盗、破壊行為、通行人の人質行為、20カ所以上に爆破物を仕掛けるなどの騒動で、このときの銃撃戦や爆破の混乱で3人が死亡、4人が重傷を負った。死者の1人は人質にとられた後、車のボンネットから振り落とされたため、銃弾を20発以上浴びせられ、即死した。
 また、事件後に発見された爆発物は98キロに及び、市民が通常の生活に戻るまでに数日を要した。アラサトゥーバは人口20万人ほどの閑静な街として知られるが、この日は町中が恐怖のどん底に陥っていた。
 ガブリル容疑者は犯罪集団に60万レアルもの資金提供を行った疑いを持たれている。