東西南北

 サンパウロ市中央部の歴史的建造物として知られる「コパンビル」に、ついに改修が認められることとなった。世界的に有名なオスカー・ニーマイアーが設計して、世界遺産にもなったブラジリア建築の翌年の1961年に完成させた同ビル。ビル全体が曲線で作られ、当時としては画期的なものだったが、それから今年で60年。老朽化はかなり前から指摘され、2011年には事故の懸念から、ビルのタイル取り外しが提唱された。だが、ビル側とサンパウロ市側の意見の食い違いから「改修」に向けた話がなかなか進展せず、まとまるのに10年かかった。改修は2022年下半期からというが、名物ビルがどのように生まれ変わるか。
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 時間と場所を選ばずに送金が可能なことから人気のPixだが、安全対策の意味で、4日から使用規定が一部変更となった。それは、個人同士や個人零細企業との間の夜間送金の制限で、20時から翌朝8時までの送金額上限が、その他の種類の送金とあわせて1千レアルまでとなる。また、利用者は送金上限額の変更を申し込むことができるが、上限額の変更を銀行が承認するためには24時間から48時間かかる。また、登録さえすれば時間を選ばずに1千レアル以上の送金を受け取ることも可能だが、これも申請から24時間後から有効となる。簡便さを悪用した電撃誘拐やPixを使える携帯電話を狙う強盗事件が増えていることへの対策だ。大サンパウロ都市圏では毎日のようにPixを狙った犯罪集団の摘発が行われているが、まだまだ減る気配はないようだ。
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 7日からのサッカーW杯の南米予選を前に、負傷したマテウス・クーニャ(アトレチコ・マドリッド)に代わり、アルトゥール・カブラル(バーゼル)が初選出された。知名度はまだあまり高くないが、スイスのリーグでは9試合で11得点と、記録的なペースでゴールを増産中の選手だ。年齢も23歳と若く、さらなる成長が期待されている。