元コリンリャンス=橋本幸一さん「現地は普通」=サッカーエージェントで活躍

橋本幸一さん(撮影時のみマスク未着)

橋本幸一さん(撮影時のみマスク未着)

 「日本では『今ブラジルに行って本当に帰れるのか!?』と心配された。ブラジルの映像が日本で流れると山積みの棺桶とかばかりだから。来てみたら現地の人は意外と普通で落ち着いている」――永住権維持のため一時ブラジルに滞在した元サッカー選手の橋本幸一さん(52歳、東京)が8月31日(火)に来社し、久しぶりのブラジルの印象をそう語った。
 橋本さんはSCコリンチャンス・パウリスタや柏レイソルでMFとして活躍した後、33歳頃から選手とクラブの仲介をするエージェントに転身した。コリンチャンス本部のサッカー博物館には、過去にプロ契約した選手のリストが壁に刻まれており、橋本さんの名前もあることを確認したという。ブラジルサッカー協会公認(CBF)エージェント免許も取得し、40歳まではゴイアニアに住んでいた。
 ずっと住むつもりで永住権を取得したが、父の病気を機に日本へ帰国した。ブラジル永住権は2年に一度は入国印をパスポートに押さないと喪失してしまう事から、維持のため今回来ていた。
 伯国クラブ所属経験を活かし、ブラジル選手を中心にJリーグ所属クラブとの間を取り持ってきた。清水エスパルス(2004年)やガンバ大阪(2005年)で活躍したアラウージョことクレメルソン・デ・アラウージョ・ソアレス選手などの一流選手のマネジメントも手がけた。
 選手やエージェントとしてブラジルサッカーに関わり続けてきた橋本さんは、現在の状況について「これまでは才能さえあれば良いという風潮だったが、それだけでは駄目な時代になった」との見解を述べた。
 「サッカーの才能はあるが貧困家庭出身で教育がしっかりしていない18歳の若者が、急に親より高い年俸を得たら、親を尊敬しなくなって遊んでしまい、伸び悩む選手も多い」と残念がり、「ちゃんと教育さえ受ければ、サッカー以外でも成功できるチャンスはある」と頷いた。
 日本のサッカーに関しては、「MF等の中盤は良い選手多いが、これからはチャンスに強いストライカーに出てきてほしい」と指摘した。