《ブラジル》PSLとDEMが合併「ウニオン」に=下院最大、反大統領派の第3勢力へ=マンデッタやダテナも

6日の党大会の様子(Twitter)

 6日、社会自由党(PSL)と民主党(DEM)の合併が両党の間で正式に承認され、新党「ウニオン・ブラジル」が結党されることが決まった。選挙高裁で承認されれば正式に政党として認められ、下院最大党にもなりうる。ただし「分裂も必至」との声も6日付現地紙では報じられている。
 PSLとDEMは6日にブラジリアで行われた合同党大会で、両党の合併と新党名は「ウニオン・ブラジル」とすることを正式に承認した。この場で新政党の番号が44番になることも発表された。
 仮に今後の審査で選挙高裁がウニオンを正式に政党として認め、議席数が現状のままならば、PSL54人、DEM28人の合計82人の下院最大勢力となる。上院議員は7人、知事も3人いる。
 だが、この日の党大会に参加したオニキス・ロレンゾーニ労働社会保障相(DEM)は、この日の大会で「合併反対」に投票し、彼の立場を議事録に明記するよう求めた。
 オニキス氏は「新党がボルソナロ政権を支持すること」を強く望んでいたが、DEM党首のACMネット氏は、「ボルソナロ氏とルーラ氏の間で国の政治が2分される中、この新党結成が第3勢力を生むキッカケになれば」と語っており、ボルソナロ大統領の支持勢力となるのは難しいとみられている。

 6日の合同党大会では、新党役員も選出された。新党党首はPSL党首のルシアノ・ビヴァル氏で、DEM党首のACMネット氏は新党の書記長を務める。副党首は12人で、第1副党首にはアントニオ・ルエダ氏、会計にはマリア・エミリア・ルエダ氏が選ばれた。
 この新党からは元保健相のルイス・エンリケ・マンデッタ氏(DEM)、ロドリゴ・パシェコ上院議長(DEM)、ニュースキャスターのジョゼ・ルイス・ダテナ氏が大統領候補としてあげられている。
 22年の知事選では12州でシャッパを組んで出馬する意向で、その中にはACMネット氏が目指しているバイア州知事選も含まれている。
 だが、PSLには2018年の選挙の際、ボルソナロ氏を慕って入党した政治家も多く、大統領派として知られる大統領三男エドゥアルド、カルラ・ザンベッリ、ビア・キシス、ヴィトル・ウゴ下議らが残留することは考えにくい。
 これらの連邦議員たちは、ボルソナロ氏の次の政党に移籍することが考えられている。ボルソナロ氏は現在、ブラジル労働党(PTB)や進歩党(PP)と交渉を続けているものの、進展を見ていない。

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