《ブラジル》エヴァウド事件=軍警8人に殺人罪で実刑判決=犯人誤認で62発の銃弾乱射

 2019年4月にリオ市で起こった、犯人誤認により、音楽家のエヴァウド・ローザ・ドス・サントス氏らに62発の銃弾を浴びせて2人を殺害した事件で、軍警8人が実刑判決を受けた。14日付現地サイトが報じている。
 この事件は2019年4月7日にリオ市西部グアダルーペで起こったもの。軍警が銃を盗んだ犯人の車と見間違え、音楽家のエヴァウド氏が乗る車に銃弾を乱射。エヴァウド氏と、同氏を助けようとしたゴミ収集業のルシアノ・マセド氏が巻き込まれて死亡。エヴァウド氏の車に同乗していた同氏の姑が負傷した。この行為は当時、軍警が無実の人たちに対して不要な攻撃を加えたとして社会問題化し、大きく取り上げられた。

 それから2年が経過。裁判はパンデミックの影響で2度延期されたが、今回は予定通り、裁判が行われた。裁判はリオの連邦判事1人と軍事法廷の4判事による特別法廷によるもので、判事投票3対2で関与した軍人8人が有罪となった。
 このマシンガン乱射を指揮したイタロ・ダ・シウヴァ・ヌーネス中尉には31年6カ月、残りの7人の軍警には28年の実刑判決が下された。
 この事件では軍警12人が起訴されていたが、4人は免罪となった。また、被害者を救助しなかった件に関しては、12人全員が免罪となった。
 判決が下ったのは14日未明で、軍警たちの弁護士は上告する意向だが、エヴァウド氏の未亡人は裁判後、「これでやっと眠れる」と語っている。