令和3年秋の叙勲に9人=教育分野や経済、陶芸など

 日本政府は秋の叙勲受章者を3日(水)に発表した。ブラジルからは邦人叙勲3人、外国人叙勲6人の9人が受勲した。日本祭りの開催や日系団体への貢献、陶芸やゲートボールの普及、日伯経済交流や日本語教育・日伯学術交流の促進など、多岐にわたる分野から代表的な人物が選ばれた。受勲者と功績は次の通り。

【在ブラジル日本国大使館推薦】
〈外国人叙勲〉

ジョージ松原

ジョージ松原

▽ジョージ・松原(66歳)=旭日単光章=2007年から11年間アナポリス日伯文化協会会長を務めた。日系人の少ない同市で「日本祭り」や「日本映画祭」を企画・実施し、積極的に日本文化や国費留学制度等を広報し、地域市民の日本に対する関心や認知度を高めることに大きく貢献した。

 

 

 

【在サンパウロ日本国総領事館推薦】
〈邦人叙勲〉

鈴木章子

鈴木章子

▽鈴木章子(92歳)=旭日双光章=女流陶芸家の先駆けとして日本でも活躍後、1962年移住。地場の材料を用いた数々の作品を各地の個展や展覧会で発表。「日用品」の認識が一般的だった陶器への評価を、高度な芸術品として広く認知・普及させることに大きく貢献した。

 

 

 

小賀誠二

小賀誠二

▽小賀誠二(84歳)=瑞宝小綬章=薬理学・毒物分野の研究で日伯間学術交流と両国の相互理解促進に貢献した。USP大学教授として次世代の日伯学術交流の環境醸成に貢献した。また、ブラジルゲートボール連合会で会長や副会長を通産12年間勤め、同競技による日伯間の親善交流に貢献した。

 

 

 

〈外国人叙勲〉

ペドロ・イサム・ミズタニ

ペドロ・イサム・ミズタニ

▽ペドロ・イサム・ミズタニ(62歳)=旭日単光章=現・ピラシカーバ日伯文化体育協会会長、コザン社経営審議会メンバー。元コザン社経営審議会副会長、ライゼン社副会長。長年にわたりピラシカーバ日伯体育協会の活動に貢献。2013年~19年までに同地で「日本祭り」を開催し地域の日本文化の発展に貢献。

 

 

【在リオ・デ・ジャネイロ日本国総領事館推薦】
〈外国人叙勲〉

ムリロ・ピント・デ・オリヴェイラ・フェレイラ

ムリロ・ピント・デ・オリヴェイラ・フェレイラ

▽ムリロ・ピント・デ・オリヴェイラ・フェレイラ(68歳)=旭日重光章=元ブラジル日本経済委員会委員長、元ブラジル日本戦略的経済パートナーシップ賢人会議委員、元ヴァーレ社社長兼CEO、伯国を代表する国際的な経済人の一人。伯国経済界を代表する立場から、両国間の貿易促進に繋がる相互理解及び経済関係深化に多大なる貢献を果たした。

 

 

 

〈邦人叙勲〉

酒井政廣

酒井政廣

▽酒井政廣(88歳)=旭日単光章=元めぐみ学園校長=ロンドリーナ市に日本的な教育カリキュラムを取り入れた「めぐみ学園」を創設。長年校長として地域の教育水準向上や日本的価値観の普及に尽力した。また、パラナ教育連合会やロンドリーナ教育研究会で会長を歴任し、日本語教育指導や教師間の研修会を実施し、教育水準の向上や地域内の日本語教育の発展に貢献した。

 

 

〈外国人叙勲〉

ラウラ・ミツコ・オモト

ラウラ・ミツコ・オモト

▽ラウラ・ミツコ・オモト(78歳)=旭日単光章=クリチバ日伯文化援護協会日本語講座校長を約8年間務めた。指導力向上に貢献した。パラナ連邦大学と東京外国語大学間の学術協定コーディネーターを務め、日本人留学生の受け入れや伯人学生の渡日留学に尽力し、両国間の学術交流の促進に貢献。

 

 

 

セイコ・ヤマナカ・ササヤ

セイコ・ヤマナカ・ササヤ

▽セイコ・ヤマナカ・ササヤ(78歳)=旭日単光章=元・クリチバ日伯文化援護協会日本語講座校長。37年間同地域で日本語の普及や日本語教育水準の向上に尽力。日本文化や日本移民の歴史の紹介を通して日本文化の継承及び普及に寄与している。

 

 

【在レシフェ日本国総領事館推薦】
〈外国人叙勲〉

ラウラ・テイ・イワカミ

ラウラ・テイ・イワカミ

▽ラウラ・テイ・イワカミ(70歳)=旭日中綬章=現・セアラ州立大学人文学部言語学科教授。27年間セアラ州立大学日本語講座の主任を務め、今年2月人文言語学センター長に就任。後継者となる日本語教師育成や日本語の普及、日本文化の紹介にも大きく貢献し、伯国における日本語教育の発展と日伯間の相互理解の促進に寄与した。