JHSP=魔法のスパイス「朝倉山椒」=兵庫県ブラジル事務所が紹介

ブラジルでは貴重な朝倉山椒のサンプル

ブラジルでは貴重な朝倉山椒のサンプル

 サンパウロ市のジャパン・ハウス(JHSP、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)で11月5日、兵庫県ブラジル事務所(永田展之所長)による「兵庫県の体験―朝倉山椒/但馬の魔法の調味料」の講演会が行われ、同館ユーチューブでも中継された。
 「朝倉山椒」は兵庫県養父市八鹿町朝倉が発祥の山椒。通常の種とは違ってトゲがなく、香気成分の大部分を柑橘系の香りのリモネンやミントのような香りのフェランドレンが占めており、柑橘的なフルーティーな香りが特徴だ。
 辛さも山椒の香を感じた後に現れ、また辛みも後をひかず、子供やお年寄りでも楽しめる。生臭さを和らげる効果が有り、永田所長も「チーズや牛乳にかけて試食したところ、牛乳特有の臭みが消え、フレッシュさを感じた」と解説する。
 「ぐいぐい前に出ず素材を引き立ててくれる調味料です。但馬のおじいちゃん、おばあちゃんが愛情を込めて作る山椒の優しい味を是非知って頂ければと思います」と山椒の魅力を語った。

講演する永田所長

講演する永田所長

 同山椒はイタリアやフランスなど含む欧州8カ国にも輸出しており、兵庫県からは「ブラジルもマーケットに」と声があがっており、但馬地方の魅力発信も含めて同講演会が開催された。
 朝倉山椒は収穫が1週間と短く、収穫から加工まで手作業で行われるため生産量が限られる。需要が供給を上回っているが「後継者育成を考えると広く普及していく必要がある」と永田所長。
 今回の対面講演会は招待者のみに限定。JHSP内日本食レストラン藍染のオーナー兼シェフの白石テルマさんが朝倉山椒を使用した料理の試食会が行われた。
 当日は兵庫県人会のウコン・マスエ副会長や、文協の和食普及委員会長を務める上辻照子理事、日系醤油会社の丸一醤油の武用吉生(ぶよう・よしお)社長、エリックJHSP館長が出席。在聖総領事館の小室千帆首席領事、小堤明日香領事、JETROサンパウロ事務所の齋藤裕之ディレクターも参加した。
 小室首席領事に取材すると、「柑橘系の香り高く、テルマシェフのお料理とも大変あっていました。ぜひブラジルの人にも味わって知って頂きたい」と述べた。小堤領事は「JHSPで瀬戸内探訪のイベントが実施されていたので、その文脈の流れで魅力をお伝えできるのではと思いました。ぜひ他都道府県も魅力紹介をして欲しい」と今後の展開に期待する。
 同講演はJHSPユーチューブチャンネルに動画(https://www.youtube.com/watch?v=52hpndN4JDU)が公開されている。

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 サンパウロ市ヴィラ・マリアナ区にある菓子と和食店なな屋(NaNaYa、Rua Pelotas, 596 – Vila Mariana)では朝倉山椒を使用したロールケーキ(15レ)やクリームもち(12レ)を28日まで期間限定で販売しており、配達範囲であればデリバリーも可能だ(https://deliverydireto.com.br/nanaya/nanaya?hj=menu)。山椒といえば「小粒でもピリリと辛い」の言葉が想起されるが、朝倉山椒はミントのような強すぎない辛味に近く、オレンジの様な香がふっと香るような感じ。スイーツにも相性が良さそう。調味料としての販売は未定なので、この機会にスイーツだけでも味わってみては?