《サンパウロ州》11日からマスク義務解除=現時点で未達成だが緩和予告=感染者や死者は増加傾向の中

マスク姿が定着した町並み(Rovena Rosa/Agencia Brasil)

 サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が24日、12月11日から開放空間でのマスク着用義務解除と発表した。サンパウロ州では14日にF1レースを開催するなど規制緩和が進んでいるが、その時点で着用義務解除の条件を満たせるようになるのかを懸念する声も出ている。
 24日付現地サイトによると、マスク着用義務の解除はコロナ対策班の了解も得ているという。24日はサンタカタリーナ州でも開放空間でのマスクの着用義務解除が宣言され、即日発効となったが、サンパウロ州は12月11日からの適用だ。
 他方、サンタカタリーナ州ではこの日にスタジアムその他の施設やイベントでの収容人数の制限が解除されたが、サンパウロ州では施設やイベントでの人数制限は1日に解除されている。コロナ対策としての規制は州や市によって異なり、監査のあり方や罰則の内容も違う。
 ただ、サンパウロ州は先月、マスク着用義務解除の条件として、人口の75%が接種を完了(2度の接種または1回でよいワクチンの接種)し、感染者と死者、入院者の7日間平均が各々、1100人、50人、300人を下回る事を上げていた。
 だが、24日現在の接種完了率は74・5%、7日間平均は感染者1289人、死者61人、入院者318人で、どの条件も満たしていない。
 ドリア知事は接種完了者は25日に75%を超えると語ったが、その他の基準達成の時期は不明だ。
 特に問題となるのは、同州での感染者や死者が増加傾向にある事だ。24日の死者の7日間平均は2週間前よりも34%高く、感染者の平均も10%高い。

 感染状況や感染者、死者の動向は市毎に異なるため、開放空間でのマスク着用義務を11日に解除するかは各市の判断に委ねられる。この点は、10月28日のリオ州での義務解除時と同じだ。
 駅構内やターミナル内を含む公共交通機関や閉鎖空間でのマスク着用義務はまだ続く。マスク着用義務に関しては、解除後に感染が再燃し、再び義務化される国や市が続出しており、ワクチン接種進展が第一条件だ。
 なお、サンパウロ市は同日、18歳以上の人は100%接種を完了、12~17歳でも初回接種は全員が受け、接種完了も43・8%と発表。マスク着用については12月5日に見解を表明する意向だ。
 9月初旬までの2カ月間死者0で「ニュージーランド」の異名も得たサンパウロ州海岸部のイーリャベーラは、防疫対策を継続しつつ、来月2日にクルーズ船を迎える。4月までに来るクルーズ船37隻による経済効果は8100万レアルの見込みだ。
 なお、24日には連邦直轄区がイベント参加の条件に接種完了を加える知事令を出している。