《ブラジル》ミナス州=2棟倒壊で男性と幼女死亡=不法建築と雨などが原因か

家屋2棟が倒壊し、幼女と男性が死亡したと報じる7日付G1サイトの記事の一部

 ミナス州州都ベロ・オリゾンテ市で7日未明、2棟の建物が倒壊し、1歳8カ月の幼女と35歳の男性が死亡する事故が起きたと同日付G1サイトなどが報じた。
 事故が起きたのは同市北部のジャケリネ区で、一家10人が暮らしていた建物(3階建て)が半壊、その隣にあった建設中の建物(4階建て)は全壊した。
 死亡したのは1歳8カ月のアントネラちゃんと、彼女の祖母の連れ合いで35歳のアンドレ・ルイス・アルヴェス・クラウジーノ氏の2人だ。
 消防によると、アントネラちゃんの母(23)は半壊した家屋の最上階で寝ていたが、母親は救助後に病院に運ばれた。アンドレ氏も同じ階にある別の部屋で休んでいたという。同氏は昼間は自動車部品店で働くサラリーマンだったが、夜はパゴジのバンドのヴォーカリストを務めていた。
 消防が到着した時には既に、隣人達がアンドレ氏の娘(13)とアントネラちゃんの母親のいとこ(19)を救出し、病院に運んでいたという。
 消防は「現場検証の結果を見ないと倒壊した原因はわからないが」としつつ、前日の強い雨が原因の一つである可能性はあるが、当面は構造上の問題が原因である可能性がより強いと見て、原因調査を進める意向を表明した。

 同市では6日の未明から強い雨が降り、市内を流れる水路が増水して各所で洪水を招いた上、主要道路が冠水して通行不能となった。家屋や塀の倒壊、倒木などが起き、倒壊家屋にいた3歳の子供が負傷した。
 ただし、7日未明に起きた家屋の倒壊時、雨はすっかり止んでおり、地滑りなどが起きた形跡もなかったという。
 ベロ・オリゾンテ市役所は7日昼過ぎ、倒壊した家屋は不法建築で、建設許可などは出ていなかった事を明らかにした。
 同市防災局によると、4階建て建物の左隣の建物と、3階建ての建物の右隣の家屋にも被害が出たが、死傷者は出ていない。被害が出た家屋の安全性の確認なども急いで行う意向だ。倒壊家屋の瓦礫は、その裏手で少し低い場所に建っている家屋の敷地内にもなだれ込んでいる。
 4階建ての建物には建築責任者を特定するようなプレートが出ておらず、現場監督的な設計士などの技術者もついていなかった可能性があるという。