《ブラジル》KISS裁判=4被告の扱い一転、逮捕=最高裁が人身保護令覆す

 14日、2013年1月に大火災を起こしたリオ・グランデ・ド・スル州サンタマリアのライブハウス「KISS」の被告4人に対して出ていた人身保護令を最高裁が覆し、逮捕命令を下した。4人の被告は15日までに全員出頭した。15日付現地紙、サイトが報じている。
 242人の死者を出したKISSの陪審裁判は、事件から8年11カ月を経た今月1日に南大河州地裁ではじまった。結審は10日で、ソーシオ(共同経営者)のエリサンドロ・スポール、マウロ・ホフマン両被告にそれぞれ22年6カ月と19年6カ月、無許可の状態で炎での演出を行って火災の原因を作ったバンドのヴォーカリスト、マルセロ・デ・ジェズス・ドス・サントス被告とバンドのマネージャーのルシアノ・ボニーリャ・レオン被告にそれぞれ18年の有罪判決が下った。

 だが、裁判の前に高等裁判所(TJ)のファッシーニ・ネット判事が被告4人に人身保護令を適用していたため、即刻逮捕ができない状態となっていた。
 この命令を不服としたリオ・グランデ・ド・スル州検察局が最高裁に訴えを起こした結果、14日、ルイス・フクス最高裁長官が、「社会に対する甚大な影響力を考えると、この判断は極めて強い反感を生みかねない」として人身保護令の却下を決定。4被告の逮捕を命じた。
 これを受け、14日のうちにスポール、ジェズスの両被告、15日午前中にはホフマン、ボニーリャの両被告が警察に出頭し、逮捕された。