西本願寺に駐車場用地を寄付=100歳の安藤さん「私も役に立ちたい」

 

安藤さん

安藤さん

「西本願寺への土地寄贈は2年前亡くなった母との約束だったようで、果たせて良かったと思います」――今年100歳を迎えた安藤十一さん(大分県)の娘イネスさん(63歳)はそうコメントを寄せた。
 浄土真宗本派本願寺南米教区(西本願寺、梶原洋文マリオ開教総長)は近くに専用の駐車場が無かったため、安藤さんが土地を買って寄付したという。6日に寄付があったと梶原総長から編集部に連絡があった。
 同総長は電話取材で「仏教というのは皆様のご協力で成り立つもの。土地を寄付して頂いて感謝しかありません。2カ月前にようやく法事が出きるようになったところ」と現状を説明した。
 

西本願寺のすぐ近くに出来た駐車場の外観(梶原総長提供)

西本願寺のすぐ近くに出来た駐車場の外観(梶原総長提供)

安藤さんは以前よく法事で寺を訪れていた。土地寄贈のきっかけは同寺で安藤さんの父の戒名を調べたところ、「お父様は生前大変立派な行いをされたのですね」と感心された事から。
 同氏の父が持つ戒名は最高位である「院号」で、生前寺に大きな貢献をした人に付けられるもの。安藤さんは「父も立派な行いをしたなら私もしないと」と決意して「お寺のために何が出きるか」と考え、駐車場が無かった同寺への土地寄贈計画が始まった。
 梶原総長によると、土地譲渡は書類上4月に行われた。譲渡までには長い道のりがあり、計画は約10年前から始まったという。土地には当初居住者がいたため空くのを待ってから、駐車場にする工事に取りかかった。コロナ禍のために工事が遅れ、安藤さんが高齢なため「元気なうちに」とおおよその形になった段階で譲渡された。
 安藤さんは現在聖市南部に住んでおり、かつては金属加工会社を経営し、75歳まで働いていたと高齢の本人に代わりイネスさんが説明した。