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2006年

移民政策=時代に対応、修正へ=連載(7)=永住権の取得対象者拡大=NGOの代表者も

2006年7月15日付け  「一年間で、個人の投資移住額が八倍になったんだ」。移民審議会のニウトン・フレイタス会長の笑いが止まらない。  移民審議会が決議六十号(二〇〇四年十月)を発布。投資金額を二十万ドルから五万ドルに下げるなど、個人投資家の永住権取得条件を一部緩和したところ、申請者が急増したというのだ。  「五万ドルで、永住 ...

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移民政策=時代に対応、修正へ=連載(6)=新外国人法、年内に国会通過?=04年から3年計画で見直し進む

2006年7月14日(金)  法務官僚のルイス・パウロ・バレット氏は〇五年九月一日のセレモニアで、誇らしげにこう語った。  「新法(草案)は、尊厳を持って、外国人を扱う内容になっている。治安確保や安全保障といった、観点はもう存在していない」。  二〇〇四年から三カ年計画で見直しが進められている、政府の移民政策。外国人法改正は大き ...

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移民政策=時代に対応、修正へ=連載(5)=80年代前半、移民時代の終焉=「コントロール」が前面に

2006年7月13日(木)  〈農業研修センターから、伯法人対策室に異動〉  一九八〇年前後のこと。群馬県内にあった、旧国際協力事業団の農業研修センターに赴任していた、小松雹玄元JICAブラジル事務所所長に、そんな内容の辞令が発令された。  「いったい、どういうことだろうか?」。そう訝って事情を確かめると、事業団のブラジル現地法 ...

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JICA青年ボランティア リレーエッセイ=最前線から=連載(51)=豊倉麗子=アマンバイ日本人会(パラグアイ)=移住の歴史を後世に

2006年7月20日(木)  「国境」というからにはもう少しものものしくてもよさそうなのに、ここほど親しまれている国境はないだろう。セントロの通りの一つが国境である。行き来にまったく制限はない。通勤や通学、買い物などで人々は日に何度となく国境をまたぐ。  私の財布には常にグアラニーとレアルが入っていて、初めこそとまどったが、今で ...

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移民政策=時代に対応、修正へ=連載(4)=外国人法の規制は厳格?=受け止め方にかなりの温度差

2006年7月7日(金)  セグランサ・ナショナル──。  現行の外国人法は(1)国内の治安や安全保障(2)経済・政治的関心(3)国内労働者の保護―を前面に打ち出したものだ。  発効は一九八〇年。翌八一年に、施行法が定められた。民主化の五年前で、〃対外開放〃へ針路が向けられているとはいえ、まだ軍事政権の時代だ。  政府にとって、 ...

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移民政策=時代に対応、修正へ=連載(3)=戦後、外国人導入に消極的=受け入れ後弊害多発

2006年7月6日(木)  戦後の移民政策を平たくいえばこうだ。  〈外国人労働者は基本的に必要としない。外国から移民受け入れの要請があった時には、連邦直轄区をあてがう〉  つまり、移民導入には消極的だった。(1)受け入れ態勢の不備(2)移民送り出し機関とブラジル当局者とのコミュニケーション不足といった弊害が発生した。  〈住む ...

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JICA青年ボランティア リレーエッセイ=最前線から=連載(49)=平安寺映美=エンカルナシオン日本人会=二つの言葉の間で

2006年7月6日(木)  私がボランティアとしてパラグアイ・エンカルナシオン市に来て、もう一年半が経とうとしている。もう今では、この町で毎日仕事をし、買い物をし、時々は友達とご飯を食べたり、お酒を飲んだりする生活が普通で、あと半年後に日本に帰ることが想像できない。 ここはアルゼンチンとの国境の町。国境にはパラナ川が流れており、 ...

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移民政策=時代に対応、修正へ=連載(2)=国内労働者の保護優先=たとえ政権変わっても

2006年7月5日(水)  「外国人を新たに受け入れるより、今は国内の失業対策が重要なんだ」。  移民政策について尋ねると、ニウトン・フレイタス移民審議会会長(労働省特別補佐官)は、そうきっぱりと言った。  同審議会は労働省、法務省、外務省など関係省庁で構成され、政策案などを検討している。連邦政府内で、発言力も大きい。  それだ ...

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移民政策=時代に対応、修正へ=連載(1)=密入国者あとを絶たず=国境警備は混沌

2006年7月4日(火)  移民の扱いをめぐって、世界の大国が神経を尖らせている。フランスでは昨年、アラブ・アフリカ系青年たちによる暴動が発生。アメリカでは先ごろ、不法移民への規制強化に対し、ヒスパニック系が抗議行動を展開した。多くの民族を、受け入れて形成されたブラジル。その立場上、移民問題を見過ごすことはできない。政府は、新外 ...

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JICA青年ボランティア リレーエッセイ=最前線から=連載(48)=宇野麻美=ヴィトリア日系協会=「当たり」だった出会い

2006年6月29日(木)  飛行機が高度を下げはじめると、多くの奇石が姿を現し複雑に入り組んだ海岸線が見えてくる。重苦しい冬の日本からやってきた私は、あふれる陽光をうけて光るヴィトリア湾に目を奪われた。弧を描く海岸線と紺碧の海は今も瞼に焼きついている。  二〇〇五年一月、この美しいヴィトリアの地に着任。渡伯前から、いろいろな人 ...

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