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『日伯論談』=様々な問題を俎上に

 本紙は日本・ブラジル間に横たわる様々な問題を、両国の有識者らが交替で論じる企画『日伯論談』を毎週土曜日に掲載中。
 執筆内容は翻訳し、日本語はニッケイ新聞三面、ポルトガル語は本紙ポルトガル語版「ジョルナル・ニッパク」に掲載します。
 世代やコロニアを超えた議論を深め、両国の更なる相互理解を深めることを趣旨としています。
 読者の皆さんによる異論、反論、感想も受け付けますので、ニッケイ新聞編集部までお寄せください。
 (註)「論壇」ではなく、日伯間で談論風発となるよう「論談」としています。

日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=第39回=筒井茂樹=元伊藤忠ブラジル会社社長=日伯の「含み資産」活用を

2010年2月27日付け  ブラジルは世界で最も親日国であると言われている。他方、日本もブラジルに住んだ人は無論のこと、一度でもブラジルに旅した人はブラジルの魅力に引かれブラキチになる。ブラジル人が親日であるので、日本人もブラジルが好きになると言う図式である。ブラジルが何故親日国なのか考えてみた。理由は主として次の3点にあると考 ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=第38回=杉本篤実=(有)テクアーク代表取締役社長=地デジは日伯の新しい絆

2010年2月20日付け  「なぜ、いま放送をデジタル化する必要があるのでしょうか」。メーカー5社の代表が2000年3月にサンパウロを訪問した時の日系家電メーカーのブラジル人担当者の発言である。米国や英国ではすでに1998年秋からデジタル放送が開始されており、放送のデジタル化は時代の趨勢と思っていた一行には驚きの一言だった。デジ ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=第37回=檀上誠=日本経済新聞社サンパウロ支局長=広がり欠く?ブラジルへの熱視線

2010年2月13日付け  私事で恐縮だが、今年の年賀状にはオリンピック招致が決まった瞬間のコパカバーナの写真を使った。飛び交う紙吹雪、喜びに沸く若者たち――。昨今のブラジルの勢いを象徴するような光景で、日本の知人からは「閉塞感漂う日本とは全く違いますね」、といった返事を頂いた。  人口は減少、将来不安で消費は萎縮し、明るい展望 ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=第36回=岸和田仁=前ニチレイサンパウロ社長=ノルデスチ灌漑農業の現場から考える

2010年2月6日付け  「俺の名はセヴェリーノ 名字などない」という書き出しの詩劇『セヴェリーノの死と生』をジョアン・カブラル・デ・メロ・ネトが発表したのは1955年であったが、ノルデスチのヘチランチ(旱魃難民)を主人公とする、この長編叙事詩は後に映画化、テレビドラマ化されてブラジル国民にあらためてセッカ(旱魃)の悲惨さを印象 ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=川上オズワルド=在日ブラジル商業会議所会頭=伯日は世紀のパートナー

2010年1月30日付け  一昨年、我々はブラジル日本移民百周年記念を祝ったが、両国の通商交流はパリで「日伯修好通商航海条約」が調印された1895年に遡る。それ以降、500社以上の日本企業がブラジルに進出、先進技術や新たな工業化概念を持ち込み、ブラジルに大きな工業をもたらした。  と同時に、ブラジルも日本にとって重要な資源供給国 ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=葦部雪夫=アマゾナス日系商工会議所副会頭=金融危機後のマナウス産業地帯

2010年1月23日付け  マナウス産業地帯(PIM=Polo Industrial de Manaus)全体における日本企業の数は全体の6%でしかないが、外資系企業における全体投資額の50%、さらには10万人の全従業員数の25%、利益も25%を占める。  米国のリーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たんが発端となった世界金融 ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=小林利郎=元東京銀行取締役=国際金融危機後の日伯関係

2010年1月16日付け  2009年は1929~30年の大恐慌以来といわれる大不況の年だった。世界の主要国では大童の政策動員にかかわらず、2010年を迎えたものの未だ本格的回復のめどは立っていない。  日本は1990年代のバブル崩壊後の不況から未だ完全に脱し得ていない状態で今回の危機に直面した。  金融システムは欧米の銀行のよ ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=高山直巳=失われた20年は挽回されたか

2010年1月9日付け  1980年代はブラジルの対外債務危機やハイパーインフレによって経済が混乱し「失われた10年」、1990年代は日本側のバブル崩壊によって「失われた10年」と呼ばれ、日伯経済交流は合計20年の空白期が生じたと言われてきた。  では、その20年の長いトンネルから抜け出し、ブラジル経済が成長軌道に突入した200 ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=河村建夫=日ブラジル会議員連盟幹事長=再活性化に道筋=「日伯21世紀協議会」

2009年12月12日付け  去る11月27日、日本・中南米国会議員連盟は、引退した河野洋平前衆議院議長に代わり、会長に横路孝弘衆議院議長を選任した。同議員連盟は、日ブラジル会議員連盟と会員を一にするいわば双子の議員連盟であり、日ブラジル会議員連盟の会長は、麻生太郎前総理が務めている。  私にとっての政治の師は、故田中龍夫先生で ...

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日伯論談=テーマ「日伯経済交流」=第30回=山中イジドロ=元農務大臣特別補佐官=危機後のアグリビジネスにおける日伯関係

2009年12月12日付け  2009年第1四半期から、日本企業のブラジルに対する関心が高まっている。  某有名伯字紙が6月にJETRO(日本貿易振興機構)サンパウロセンターに行ったインタビュー記事によれば、同センターへのビジネスに関する問い合わせ件数は、海外にある55のJETRO事業所の中で15位だったものが、世界金融危機後、 ...

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