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2011年

〜OBからの一筆啓上〜書くことの視界と視野=高橋幸春(元パウリスタ新聞記者)

ニッケイ新聞 2011年6月29日付け  36年にもなる。私が初めてブラジルの土を踏んでから。  将来教壇に立つ気はないかと、大学院に残るように言ってくれた教授もいた。差別問題を研究している教授について、卒論には日韓に横たわる問題を選んだ。しかし私はパウリスタ新聞の記者になる道を選択した。  日韓の歴史に興味を持ち、学生時代に韓 ...

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〜OBからの一筆啓上〜怒りをもって立ち上がれ=田中敬吾(元パウリスタ新聞記者)

ニッケイ新聞 2011年6月15日付け  今回の東日本大地震では、多くの人命が犠牲となり、心から哀悼の言葉を述べたい。  地震、大津波に加えて東電の福島原発の原子炉破壊に伴う避難者や、農家、酪農家に大きな犠牲者を多数出したことは、不幸に大きな拍車をかけた。  日本は今こそ国運をかけての復興へ、国民が一体となった団結と情熱、努力が ...

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東日本大震災=けっぱれ! 岩手=立ち上がる被災地を歩く=最終回=39mの津波受けた田老=〃万里の長城〃に翻る日の丸

ニッケイ新聞 2011年6月4日付け  「まあ、復興には10年はかかるね」。菊地課長は唇を引き締めた。「町の復興プランを一生懸命に作っているところです」というが、津波が押し寄せた区域は国が家の新築を禁止する法令を出したので、その扱いが決まっていない。松本さんも「早く国の線引きを決めてもらわないと」と眉間にしわを寄せた。  「おと ...

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東日本大震災=けっぱれ! 岩手=立ち上がる被災地を歩く=第4回=真っ黒な波が押し寄せ=「酷すぎて涙も出ない」

ニッケイ新聞 2011年6月3日付け  「震災の後、僕への最初の安否照会はパラグアイからでした」。松本トミさんに連れられて市役所横の生涯教育センターに入ると、山田町2人目の岩手県人会賛助会員、教育委員会生涯学習課の菊地光明課長(こうめい、58)はそう語った。渡伯歴3回、南米の日系社会との深い絆を示す一言といえる。  実は沼崎喜一 ...

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東日本大震災=けっぱれ! 岩手=立ち上がる被災地を歩く=第3回=2年後の式典出席したい=県人会との深い所縁もつ

ニッケイ新聞 2011年6月2日付け  山田町の古い病院の一室を借りてスーパーが仮店舗を開けた。5月10日午後3時半、松本トミさんがそこで買い物をしていたら、ラジオからなにやら聞き覚えのある声が聞こえてきた。  「誰だろう・・・。あっ、千田さんだ!」。思わず心の中で叫んだ。ブラジル岩手県人会の千田曠曉会長はIBC岩手放送のラジオ ...

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〜OBからの一筆啓上〜戦時下の邦字記者=田中慎二(元パウリスタ新聞記者)

ニッケイ新聞 2011年6月1日付け  最近のニッケイ紙に掲載された、勝ち負け抗争で野村忠三郎殺害時に蒸野太郎が腹に巻いていた日の丸が、脇山甚作の襲撃犯・日高徳一から移民史料館に寄贈された記事が話題になった。  さらに同紙に連載された『アンドウ・ゼンパチ—清貧に生きた波乱万丈のインテリ』でも、連載二十回目の「激化する勝ち負け抗争 ...

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東日本大震災=けっぱれ! 岩手=立ち上がる被災地を歩く=第2回=ぎりぎりの瀬戸際で=チリ地震津波の教訓

ニッケイ新聞 2011年5月31日付け  「地震が起きたのは、ちょうど出かけようとしていた時でした。立っていられないくらいの揺れで『これは津波が来る』と直感しました」。高さ8メートルを誇る山田町の堤防から、松本トミさんの自宅までは4、500メートル。  「娘たちがすぐに車で駆けつけ、『早く!早く!』と急かされるまま、靴下片方だけ ...

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東日本大震災=けっぱれ! 岩手=立ち上がる被災地を歩く=第1回=空襲後のような焼け野原=有得ない光景に息を呑む

ニッケイ新聞 2011年5月28日付け  けっぱれ!(がんばれ)岩手、山田——。東日本大震災から2カ月余りたった5月16日、被災した東北各県の被災地の中でも最悪だった一つ、岩手県下閉伊郡(しもへいぐん)山田町(まち)を訪れると、現地で支援活動をする自衛隊によって、そう書かれた旗があちこちに翻っていた。全家屋の4分3が水を被るなど ...

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〜OBからの一筆啓上〜地震病になって思うこと=太田恒夫(元パウリスタ新聞記者、東京在住)

ニッケイ新聞 2011年5月19日付け  東日本を襲った地震と津波による災害のひどさはブラジルでもテレビやインターネットを通して多くの人が見、聞き知ったはずである。  日本でも同じこと、我々一般市民は現場を見ているわけではない。情報はすべて媒体を通して視聴者や読者に伝わる。ただ、日本では情報の媒体はNHKだけではない。  民放も ...

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「第3の波」到来か=ブラジル進出企業の今を追う=《6・終》=「過去の歴史繰り返すな」=百年の交流が築いた信頼

 ブラジル東京銀行元頭取、デロイト・トウシュ・トーマツ監査法人最高顧問を歴任した鈴木孝憲氏は昨年11月、日本経済新聞出版社から『2020年のブラジル経済』を出版し、その反響は大きかった。メディアでの「ブラジル」の露出も増え、同氏が訴えてきたブラジルの市場価値にようやく日本企業が目を向けはじめている中、「過去の歴史を繰り返すな」と ...

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