2013年
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 10=中里オスカル=ジャブチ受賞『NIHONJIN』=中田みちよ=(1)=どこかで疼く「日本人」の血
ニッケイ新聞 2013年7月31日 写真=著者の中里オスカル。ジャブチ賞授賞式にて とうとう最後の作品「にほんじん」の登場です。第54回ジャブチ賞(ブラジル書籍協会主催)の受賞作。賞設置から54年目
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(1)=迷路をさまよう日系人達
ニッケイ新聞 2013年7月25日 同じ160余ページでも前回のルイス・フェルナンド・ヴェリッシモの『ジャパン・スケッチ』と、このベルナルド・カルバーリョ(Bernardo Carvalho、196
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(2)=難解なカフカ的日系世界
ニッケイ新聞 2013年7月26日 その精養軒でどんな議論をしていたのかというと、『・・・ナチズムを体験しなければ、世界はカフカを決して理解することも認識することもできなかっただろう。あるいはウイリ
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(3)=デカセギの日本は地獄か
ニッケイ新聞 2013年7月27日 なぜ、ミシマが出てくるのか、その必然性に悩みながら、作者をルポライターとして捉えると分かりやすくなります。フォーリャ・デ・サンパウロ紙で文芸欄を担当したり、パリや
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ブラジル文学に登場する日系人像を探る 9=ベルナルド・カルバーリョ=『陽はサンパウロに沈む』=中田みちよ=(4)=作者の私生活の反映か
ニッケイ新聞 2013年7月30日 物語が過去と現在を行ったり来たりしながら進行するのはベルナルドの得意とする技だそうですが、一字一句に注意しながら読まないと迷路に入ったような気分になります。文体に
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(35)
ニッケイ新聞 2013年7月2日 第二次世界大戦の直後、ブラジルの邦人社会に発生し、約十年続いた諸事件を指す。 では、その諸事件とは何か? これは、祖国日本の勝敗問題を巡って起きた内紛、襲撃、詐
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(36)
ニッケイ新聞 2013年7月3日 この〃勝ち負け〃騒動、その実態に関しては、基本的に異なる二種類の説があって、今日に伝わっている。一つは、負け組のそれ、もう一つは勝ち組のそれである。 終戦後しばら
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(37)
ニッケイ新聞 2013年7月4日 極めつきは、警察の調書だけに頼って記事やレポートを書き、起訴されてもいない人を多数、テロリスト、犯罪者と決めつけている作品が幾つもあることだ。こんな理不尽な行為は、
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(38)
ニッケイ新聞 2013年7月5日 戦勝派史観 一方、勝ち組の説も、便宜上、ここでは仮に戦勝派史観と名づける。が、やはり整理された形で存在するわけではない。以下は、勝ち組が買いた文章や彼らから聞いた
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第2次大戦と日本移民=勝ち負け騒動の真相探る=外山 脩=(39)
ニッケイ新聞 2013年7月6日 戦勝派史観は、さらに次の様に言う。 「襲撃事件は、実行者たちの独自の行動であり、臣道連盟が組織的・計画的に行ったものではない。しかるに、ハイセン(敗戦派)の密告に