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大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝

 61年前、難問だった「戦後初の日本移民導入」をジェトゥリオ・ヴァルガス大統領(当時)との〃個人的な関係〃から実現したのが、和歌山県出身の戦前移民・松原安太郎(1892―1961)だ。そんな大功労者の割にまとまった経歴が書き残されておらず、むしろ〃毀誉褒貶相半ばする人物〃のような評判まで残っている。今年4月に仁坂吉伸・和歌山県知事をはじめとする50人以上の大型訪問団が戦後初の日本人集団地・松原移住地を訪れたのを機に、麻州クイアバに住む子孫を訪ね、家族に伝わる「安太郎伝」を聞いてみた。(田中詩穂記者取材、深沢正雪記者補足、一部敬称略)

大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝=(3)=マリリア市創設期の二人=ヴァルガス「ぜひ会いたい」

松原を大統領に紹介したというアルキメデス(国立国会図書館サイトより許可を得て転載)

 マリリアの町自体は1926年12月にピラジュイ司法区カフェランジア郡所属「マリリア管区」となり、翌27年4月1日に市制を敷いた。戦前移民・小針一(こばりはじめ)の手記「マリリア市の興りと邦人初期の移住者の動向」には《マリリア最初のホテルはルイス・ブリト・マニャンエス、その弟が有名なアルキメデス》とだけ触れている。同家は町で最も ...

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大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝=(2)=謎の仲介者アルキメデス=松原の代理人で元大統領秘書

松原義和さん(故)の妻アダイール祐子さん。壁には舅とヴァルガスの写真が(クイアバ市の自宅で)

 一介の外国人である日本移民が、時の大統領と個人的に親しかったために獲得した「特別の移民枠」。その経緯に関しては謎が多い。 戦後移民が開始された1953年、戦前戦中の米国による反日プロパガンダ、敗戦、そして終戦直後の勝ち負け抗争による日本移民への嫌悪感ともいえる余韻が、ブラジル社会全体に残っていた。当時の国民感情からすれば日本移 ...

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大統領と日本移民の友情=松原家に伝わる安太郎伝=(1)=息子の妻が逸話明かす=「特別な関係」とは何か

松原安太郎(左)、マリリアの農場を訪ねたヴァルガス大統領(中央)、当時のルーカス・ノゲイラ・ガルセス聖州知事(右)=松原家所蔵

 61年前、難問だった「戦後初の日本移民導入」をジェトゥリオ・ヴァルガス大統領(当時)との〃個人的な関係〃から実現したのが、和歌山県出身の戦前移民・松原安太郎(1892―1961)だ。そんな大功労者の割にまとまった経歴が書き残されておらず、むしろ〃毀誉褒貶相半ばする人物〃のような評判まで残っている。今年4月に仁坂吉伸・和歌山県知 ...

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