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2017年

移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(10)=引継がれる皇族への崇敬

(左から)日本留学を目指す袴田さんと中村さん

 「皇室の方がマリリアに来て下されば、そんな素晴らしいことはない。日系人だけでなく町全体として大変光栄なことです」―。流暢な日本語で答えてくれたのは、マリリア日本語モデル校で教師を務める中村理香さん(3世、46)だ。  大学卒業後、92年にデカセギで日本へ渡り、多国籍児童を多く抱える静岡県浜松市の瑞穂小学校で3年、補助教員を務め ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(9)=日高「這ってでも行く」

皇太子殿下の御前で直立不動の日高さん(右)(ブラジル日本移民資料館提供)

 出所後、日高さんは、隣町ポンペイアで9年間を過ごした。「父親が自転車屋をやっていたのがきっかけ。がむしゃらになって働いた」と懐かしむ。そんななか、三笠宮同妃両殿下がマリリアを訪れたのを知ったのは、だいぶ後のことだった。  その後、マリリアへ移転し、はやり自転車屋を開業。現在は4店舗まで増え、次男と三男が経営を引継いでいる。今も ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(8)=勝ち負け抗争で揺れたマリリア

店頭で自転車店の手伝いをする日高さん

 マリリア市内中心から車でおよそ15分。ひっそりとした佇まいの自転車店内に日高徳一さん(90、宮崎県)はいた。狭い店内に入ると、「よく来てくれました」としっかり手を握り、朗らかな表情で迎えてくれた。  勝ち負け抗争に翻弄され、脇山甚作陸軍退役大佐事件に実行者として加わり、12年間刑務所で服役したという元強硬派の最後の生き残りだ。 ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(7)=東京五輪視野に日本式野球

(左から)妻の香奈栄さんと與浦幸二さん

 全伯最強と目されるマリリア文化体育協会の野球チームには、JICAボランティアから、史上初という元プロ野球選手の指導員が派遣されている。元中日ドラゴンズ所属の與浦幸二さん(46、岩手県)だ。  東日本大震災で出身地である岩手県釜石市が大津波で甚大な被害を受けたことをきっかけに、子供達の笑顔という「宝物」を広げるために、大好きな野 ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(6)=3団体が統合したマリリア

7万人の集客力を誇るジャパン・フェスタ

 若き活力溢れる若者が育つ当地日系社会だが、その秘訣は活発な文化活動にあるという。その分岐点となったのが、1991年まで分かれていた日系3団体の統合だ。  当時、会長を務めていた新宅義美名誉会長(80、二世)は、デカセギ・ブームの波が押し寄せるなか、「一つに団結した方が力を結束できるだろうとの思いだった」と振り返る。  総会では ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(5)=三笠宮殿下の足跡を辿って

殿下の足跡を訪れた新宅名誉会長

 プロミッソンを後にして向かった先は、南におよそ90キロの場所にあるマリリア。パウリスタ延長線の中核都市として栄え、人口約20万人を抱える。同沿線最大と言われる『ジャパン・フェスタ』を開催する活力がある日系社会をもつ。  同市は市政施行3年前の1926年に、ノロエステ沿線から日本人移民の入植が始まった。珈琲や綿花栽培で発展し、最 ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(4)=今なお残る明治の気風

御真影を背景に安永忠邦さん

 「上塚周平の墓守」とも呼ばれる一族の長老、安永忠邦さん(95、二世)。「移民の父」上塚周平翁の晩年を実際に知る、今ではごく僅かな生き字引の一人だ。  「よくぞ来て下さいました」―。突然の訪問にも関らず、しっかりと手を握り、記者を温かく迎え入れた。  客間に通されると、まず目に飛び込んで来たのは、昭和天皇皇后両陛下、今上天皇皇后 ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(3)=蘇る移民50周年の記憶

総動員で準備された上塚公園運動場での50周年式典

 59年前の1958年6月22日、リンス飛行場には三笠宮殿下を歓迎する歓喜の声が響き渡った。押し寄せた1万人余りの群衆の中に、安永孝道さん(73、三世)はいた。  当時12歳。「三笠宮殿下にどうしても近くでお目にかかりたくて、国旗を片手に群衆のなかを掻き分けて最前列まで走った。あの時、手を握って頂いたのが、今でも忘れられない」― ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(2)=新市長「精一杯、大歓迎する」

プロミッソン市庁舎で市長と会談した日系団体幹部

 プロミッソン日系社会は移民110周年の準備に向け、一致団結して歩みだした。移民百周年では皇太子殿下、日伯外交120周年では秋篠宮同妃両殿下をお迎えしたいとの念願が果たされなかっただけに、今回の皇室ご訪問への募る思いも強い。  さらに来年に「上塚第一植民地」は入植100周年の節目を迎える。サンパウロ市から西北方向に約400キロに ...

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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(1)=終わる戦後、2団体統合へ

上塚記念公園にそびえる開拓十周年記念塔

 いよいよ目前に迫った移民110周年―。昨年11月に薨去された三笠宮殿下が移民50周年を祝し、皇室として初めてブラジルの地を踏まれ、サンパウロ州奥地を御訪問されたのを最後に半世紀の歳月が流れた。そんななか、移民の故郷とも言えるノロエステやパウリスタ沿線から、皇室の方をお迎えしたいとの切なる声が上がっている。なかでも特に期待が高ま ...

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