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2018年

県連故郷巡り=アララクアラ、ノロエステ巡訪=(7)=アララ繁殖、隠れた人気者?=様々な思いを抱える参加者

街中に設置された人工巣で繁殖するアララ(市民団体フェイスブックより)

 9月23日、故郷巡り4日目。出発時刻の一時間前にはほとんどの参加者が荷物を抱え、ロビーで待機していた。その間、故郷巡りの常連でサンパウロ博物研究会に所属する小山徳さんが、受付の女性に街路樹の名前を質問していた。  その女性が度忘れしたと言って、他の職員に聞いて戻ってくると「オイチ」というバラ科の植物だと言う。その女性は「近くの ...

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県連故郷巡り=アララクアラ、ノロエステ巡訪=(6)=岐路に立つサンタフェ文協=小林書記「この5年間が勝負」

別れ際に唱歌「ふるさと」を合唱

 水上公園を後にした一行は、ホテルに戻って休憩を挟み、午後6時にサンタフェ・ド・スール日伯文化体育協会に向かった。当日は、サンパウロ市で開催されていた「第12回世界ゲートボール選手権大会」に出場のために会員の多くが不在となるなか、わずかな会員が精一杯のもてなしで一行を迎えた。  挨拶した小林ノリオ書記(54、二世)は、同会の活動 ...

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県連故郷巡り=アララクアラ、ノロエステ巡訪=(5)=レジストロから兄妹揃って参加=北原さん「私の故郷はブラジル」

レジストロから参加した北原一家

 北原吟子さんに続き、弟・春正さん(68、熊本県)に話を聞いた。一家はスザノで2カ月ほど過ごした後に、イタペセリーカに転住。そこでは野菜作りを営んでいた。  春正さんは「当時はトラクターもなく、鍬で畑を耕した。トマトを袋詰めにしては町の市場まで持っていった。言葉が何も分からず、欲しいものを指差して、ガイジンと物々交換したんです。 ...

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県連故郷巡り=アララクアラ、ノロエステ巡訪=(4)=州の保養地、サンタ・フェへ=悠久の大河、パラナ川に憩う

河川沿いに位置する水上公園(ホームページより)

 故郷巡り3日目の9月22日、訪問地はサンタフェ・ド・スール。同市の歴史を紐解くと、1920年に英国の石油会社代表ジョン・バイアック・パジェット氏が石油探索を目的に、パラナ川に添った3万2千アルケールの土地を購入したことに始まる。  46年に土地所有を正当化させるため79世帯を送り込んだが、同年の46年憲法制定により地下資源の所 ...

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セアーザ今昔物語=ほとんど全員日本人だった=(3)=苦労した分、子弟を教育

古賀さん(右)と長女のミシェルさん

 古賀オズワルドさんはセアーザで深夜0時から正午まで働いた。夕方から夜にかけて睡眠を取る生活をしていたため、娘3人とはほとんど顔を合せなかった。  ただ、「自分が医者の夢を諦めた分、子供たちには勉強は好きなだけやってほしい」と考え、教育にかける費用は惜しまなかった。  大学で化学を専攻した長女のミシェルさん(28、3世)は古賀さ ...

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セアーザ今昔物語=ほとんど全員日本人だった=(2)=不渡りで倒産する日系人も

セアーザ内で盆踊り大会が行なわれた様子(BLOG DA CEAGESPより)

 不渡りを出した相手はサンパウロ市から車で2時間ほどのところに野菜の販売店を構えていた。その近くで三日三晩待ち伏せしたが、新垣さんが来たことを知ってか姿を現さなかった。  「これでは埒が明かない」と考え、弁護士に相談し不渡り小切手を預けた。ところがその弁護士が亡くなり、小切手の行方すら分からなくなってしまった。手の打ちようがなく ...

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セアーザ今昔物語=ほとんど全員日本人だった=(1)=ブラジル人も日本語で交渉

トマトが入った20キロの箱を軽々持ち上げる元気な新垣さん

 1966年にサンパウロ市ビラ・レオポルヂーナ区に開場したセアーザ(通称「CEASA」、正式にはCEAGESP=サンパウロ州食糧配給センター)は、サンパウロ市民の胃袋支える連邦政府傘下の市場だ。食糧配給企業として南米1位の規模を誇る。そんな超巨大公営市場だが、開場当初は働くひとのほとんどが日系人だった。現在はごく少なくなったが、 ...

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県連故郷巡り=アララクアラ、ノロエステ巡訪=(3)=州内屈指のぶどう生産地=発展の裏に日系人の功績あり

一面に広がる葡萄畑

 苺農園を後にした一行は、ジャーレス日伯文化協会に戻って昼食。午後は市内の蘭園、チネリ家の葡萄園を訪れた。同園は7ヘクタールに5万本、4種の葡萄が栽培されている。参加者は見渡す限りの広大な畑で、葡萄狩りを楽しんだ。  ここは果樹栽培が盛んで、州内屈指の葡萄生産地だ。昨年の葡萄生産量は約1万7千トン。毎年8月末から9月頭にかけて開 ...

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県連故郷巡り=アララクアラ、ノロエステ巡訪=(2)=協和植民地の遠い記憶=開拓で気候一変、不作に

ジャーレス出身の日野さん(右)

 ジャーレス日伯文化協会での朝食の合間、今回初参加で、ここで育ったという日野寛幸さん(72、福岡県)に話を聞いた。日野さんは1957年に家族で移住。翌年、同市郊外の協和植民地に入植した。当時11歳。小学3年生まで植民地で過ごし、4年生からは親戚の家から、市街地の小学校に通ったという。  「当時は野球の試合が楽しみで、カミニョンの ...

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県連故郷巡り=アララクアラ、ノロエステ巡訪=(1)=近年最多、参加者は159人=州境の町、ジャーレスへ

マツムラ会長

 ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の「第49回故郷巡り」が、先月20~25日の6日間、グローバル旅行社により催行された。今年で30年目を迎える今回のツアーの訪問地となったのは、旧アララクアラ鉄道から旧ノロエステ鉄道にまたがる地域だ。近年では最多と見られる159人が今回参加し、ジャーレス、サンタフェ・ド・スル、イーリ ...

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