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《ブラジル》ファイザー製が遂に到着=予定より2カ月も遅れて=大統領「接種するとワニになるぞ」発言した曰く付きワクチン

ビラコッポス空港に届いたファイザー・ワクチン(Twitter)

 4月29日夜、サンパウロ州カンピーナス市のビラコッポス空港に米国ファイザー製薬のコロナワクチン100万回分が届いた。保健相はこれを機に同ワクチンを積極展開したがっているが、このワクチンはボルソナロ大統領との因縁が深い。4月30日付現地紙が報じている。
 ファイザー製薬ワクチンは米国内や欧州で使われている主要ワクチンで、1回の接種だけで90%超の効用を示すなど、高い効果を挙げていることから、ブラジルでも以前から関心が高かった。
 国家衛生監督庁(ANVISA)も2月23日に同ワクチンの正式登録を認めており、早期運用が期待されていた。
 連邦政府は当初、2月までに300万回分のワクチンを受け取る予定でいたが、契約締結が大幅に遅れ、予定より2カ月遅く、それも100万回分のみが届いた。空港に到着したワクチンはすぐに同州内の保健省の倉庫に運ばれ、4月30日~5月1日に26州と連邦直轄区に配布された。
 同ワクチンは零下70度での保存が義務付けられているため、それだけの冷凍設備のある州都レベルの大都市でしか使用されない。

 保健省が3月にファイザー側と交わした契約によると、9月の終りまでに1億回分のワクチンがブラジルに送られることになっている。
 マルセロ・ケイロガ保健相は4月30日、世界保健機関(WHO)主催のパネル・ディスカッションで、現在はワクチン不足で接種が滞っているから、ワクチンが余っていたら融通してくれるよう依頼。さらに、ファイザーとワクチンの追加購入契約を結ぶ意向で、「2021年中に全国民へのワクチン接種を完了させることが可能になる」と宣言した。
 ただ、ファイザー・ワクチンはボルソナロ大統領との因縁が深い。昨年8月にはファイザーから7千万回分のワクチン提供の申し出があったが、契約条項に不満を持ち、連邦政府が拒否した経緯があるからだ。この件は現在行われている上院のコロナ禍CPIの争点の一つで、大統領の責任が問われている。
 また、ボルソナロ氏は昨年12月、同ワクチンに関して「接種するとワニになるぞ」という意味不明の発言も行っている。

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 通常のコロナワクチンは2回の接種が必要だが、2回目の接種に行かない人が多いという。サンパウロ市が4月27日に発表した資料だと、14万5千人が2回目の接種に戻ってきていないという。サンパウロ市保健局はすでに、そのうちの6万人が誰かをつきとめ、2回目の接種を行うよう促しているという。コロナワクチンは1回の接種でもある程度の抗体ができるが、抗体の量や効果を高めるため、コロナバックなら21~28日、オックスフォード・ワクチンなら12週間の間隔をあけて2度目の接種を行わなければならない。「もうすでに1回接種したし、体調も悪くないから大丈夫」と思っていては、後悔のもと。心当たりのある人は是非2回目を。 
     ◎
 ワクチン接種が進む昨今でも、いわゆる「否定論者」と呼ばれる人たちがワクチン接種を拒んでいる。だが、パラナ州ロンドリーナのある病院では、ワクチン接種を受けるのを拒否したために命を落とした医療関係者が2人出ている。そのうちの1人は、途中で気が変わって接種したものの、2度目の接種の前に感染して亡くなったという。そうしたことがあったからなのか、同病院では、当初は31人いた医療関係者のワクチン拒否者が10人に減ったとか。

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