有北和田之示（ありきた・わだ・ゆきみ）奈良県人会長がさきごろ亡くなった。有北さんに最初会ったのは、三十八年ほど前、南米銀行がセナドール・フェイジョー街に本店を構えていた頃だった。目立たない人だった。故山根剛・役員室長が室員の有北さんを「ユキミさん、ユキミさん」と重宝していた。
けっして機敏ではなかったが、頼まれれば、何でもイヤと言わず、社用以外の公的団体の仕事でも確かにこなした。だから、面倒なことは「ユキミさんに」となった。県人会長職も日本祭り実行委員長職もそのデンで断らなかったのだろう。
県人会長に就任してから、日本の日本人と接する機会が増え、「日本語の正しい敬語と謙譲語をおぼえたい」と教師を求めていた。並の意欲でない。惜しいリーダーをなくした。 （神）
05/2/4
