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コラム 樹海

 日本の国会はさきごろ偽メール問題で大いにもめた。民主党の若い議員が予算委員会でメールのコピーを振りかざして、小泉政権に襲いかかった。自民党幹事長の次男にホリエモンが、三千万円を振り込むよう指示したというメールである。メールが本物だったら、政権の屋台骨を揺るがすほどの威力があっただろうとみられている。結局、偽物と決着がつき、事件は当該議員の懲罰を残して収束した▼事件後、偽メールについて、専門家(大学教授)の一人がコメントしていた。本物のメールには、本文の前の受・発信者はじめ頭書がもっと詳しくなければならないと。また、国会の爆弾男といわれた旧社会党の元議員は、本文の一部が黒く塗りつぶされたような文書は初めから話にならない、と嗤っていた▼メールというのは、上手く使われれば威力を発揮するが、迷惑な場合もある。アドレスが公開されていれば、欲しくないのも飛び込んでくる。例えば、一方的な宣伝などもその内にはいる。便利さとは表裏だ▼わたしたちの新聞社にも毎日たくさんのメールがある。より多くの読者が読んでくれそうな地方便りは大歓迎である。残念ながら、地方の発信者が総じて老いて、書き送ってくれる人は極めて少なくなった。まして、便利なメールを操って送信してくれる人はさらに少ない▼スピード豊かで有効なメールというものが普及して来たときに、それを日本語で使いこなす人がコロニアに少ないというのは、時代の皮肉である。(神)

06/03/15

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