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百周年式祭典=ボランティア延べ4千人=大舞台支えた宗教団体=「宗派超えハーモニー」

ニッケイ新聞 2008年8月15日付け

 「普通の若者が集まってもああはできない」――。六月二十一日、二十二日の二日間にわたり、サンパウロ市百周年式祭典で裏方を務めた延べ四千人の若手ボランティア。百周年記念協会の重田エルゾ祭典委員長は、裏方として大舞台を支えた若者たちにそう賛辞を送った。九日の百周年協会理事会でも複数の委員から賞賛の言葉が出され、どのように謝辞を示すかに関して議論が行われた。
 当日、最も人数が多かったのはブラジル創価学会の千八百人。重田委員長は「一年前から準備会合を重ねて、出場者の入退場の誘導をお願いした。練習の時から参加してくれ、本当にありがたかった」という。
 重田委員長の印象では、創価学会から協力してくれた人の中で日系人の割合は三〇%程度だった。「当日は、その働きのおかげで素晴らしかった」と感じた。
 また、ブラジル生長の家からも九百人のボランティアが参加し、重田委員長いわく「駐車場の整理、来賓の誘導など、最もきついところをやってくれた」と感謝の言葉をのべた。
 天理教からも三百五十人が協力し、四千人のボランティアや来賓、警察への弁当の配布などを行った。
 その他、ボーイスカウトからも二組に分かれて計三百人が協力。午前六時から正午まで、正午から夜までの二組に分かれて、トイレに連れて行くなどの一世高齢者の世話をした。
 重田委員長は「彼らは大イベントに慣れている。普通は、あんなに組織だった動きはできない。彼らのおかげで式祭典はつつがなく進行した」と賛辞を送った。
 芸能部門出演者のコーディネートを担当した蛯原忠男氏も、「まったく無償で朝早くから夜遅くまで一生懸命働いてくれた。彼ら無くして式祭典はできなかった」とし、「特に宗教三団体は宗派の壁を超えて、素晴らしいハーモニーを見せてくれた」と高く評価した。
 上原幸啓理事長も「少々の失敗は大イベントにはつきもの。あの現場の混乱した中で、あれだけ整然と振る舞ったボランティアのみなさんはまったく賞賛に値する」と話した。

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