ブラジル知るならニッケイ新聞WEB

コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年2月27日付け

 選挙は投票箱を開けて見ないと分らない。は、昔からの言い伝えだし、いささか古めかしいけれども、長崎県知事選は民主党の大敗であり、自民党系の中村法道氏が圧倒的な勝利で終り、東京の政界にまで波紋は広がっている。敗北の弁を首相は「政治とカネ」の影響があったと猛省しているが、小沢幹事長は「参院選への影響は限定的」の認識を示し、党内には異論が噴出している▼東京の町田市長選挙でも自民党支援の石阪丈1氏が完勝し民主党は惨敗した。選挙戦が終盤になり、民主候補の秋山哲男氏が危ういの情報が入ると陣頭指揮に立つ小沢幹事長は、選挙事務所を訪ね叱咤激励したが、効果はなく「残念無念」と顰めっ面になり顔を曇らせたそうだ。小沢氏は「選挙に強い」の評がもっぱらながら敗れるときもあるし、昨年の総選挙のような歴史的な大勝利ばかりでもない▼それにー民主党の内部はいろいろと絡み合って複雑を極めている。旧社会党は勿論、日教組の闘士もいれば自民党からの離反組が入り混じっている。党の大勢はガール群とかを率いる小沢グループが占め、党の執行陣も支配しているし元旦かの正月祝いの小沢邸の賑わいは物凄いの報道もあった。だがー反小沢派も生きている▼前原国交相や枝野行革相もだし、仙谷特命担当相ら3閣僚もこの選挙結果には厳しく、「幹事長の自発的な退陣」を強く迫っている。まあー打たれ強さでは知られる海千山千の小沢氏がこの程度の悪罵で辞任はないだろうが、こんな党内からの非難にも耳を傾けるべきは論を待たない。(遯)

モバイルバージョンを終了