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連日行列で完売続出!=日本祭りの郷土食広場=(下)=日本酒、刃物にくまモンも=多種多様な商品で来客誘う

売り上げに精を出す新潟県人会員ら

売り上げに精を出す新潟県人会員ら

 新潟は毎年人気の白餅やあん餅、おかきの他、県の特産品販売として、銘酒「八海山」や「菊水」も売り出していた。金物で有名な燕市からは越後玉三郎印の刺身包丁、出刃包丁なども店頭に。質の良い刃物を求め、まとめ買いする客も見られた。
 長蛇の列が見られた熊本は、辛子レンコンやいきなり団子といった郷土品に、抹茶ブリガデイロやメロンパン、青年部手作りのハンバーガーなどを販売。今年はデザート類が人気で、日曜正午には売り切れていた。
 ハンバーガーの包装紙には県のマスコット「くまモン」をプリント。若者から注目を集めた。同商品を食べた山下レナトさん(28、二世)は、「おいしい! 特にモーリョ!」と笑顔を見せた。
 長崎はちゃんぽんを用意。列に並んでいた田中ミチヨさん(69、二世)は、「ちゃんぽんは名前だけ知っていた。麺類が好きなので、今日は初めて食べてみようと思った」という。麺、スープは輸入の日本製だが、えびやイカなどの魚介、肉類に野菜もたっぷりで好評だった。
 昨年のうどんからメニューを変更したのは、要望が多く寄せられたため。全部で850杯分を用意したが、土曜の内に500杯も売れた。「具沢山なのがウケた。非日系は食べたことがない人が多いだろうが、ラーメンブームの波もあってか反響が良かった」(川添博会長)とホクホク顔だった。
 宮城は婦人部特製の牛タンと、サケとイクラのどんぶり「ハラコ飯」が好評。店先に立つボランティアら曰く、「100キロのベロを用意したよ!」。イクラは生ものとあって、ブラジル人にはなじみが薄いが、最近は徐々に販売数を伸ばしているよう。郷土の味へ理解が深まっていると喜びの声が聞こえた。

佐賀の天ぷらアイス。食後の口直しには持ってこいの商品だ

 佐賀は天ぷら、パステルといった定番に加え、アイスクリーム天ぷらが名物。お隣長崎の名物カステラを手作りし、丸型アイスに包んで揚げた商品で、2カ月前から準備を始めた力作だ。10年ほど前に研修生が持ち帰ったこのメニューは、日曜昼過ぎの時点で2千個が売れた。
 西山実会長、吉村絹江婦人部長は「一般ボーロとは一味違いカステラは卵たっぷり」と話し、滑らかな口当たりが特徴となっている。衣は表面だけにごく薄くついており、回りはサクッ、中はフワッとした食感に。そして冷えたアイスが食欲を誘った。
 04年の開始以来、近年最大の売り上げを誇る和歌山のお好み焼きは、4500枚以上が売れたという。金曜だけでも約1千枚を販売。年代、性別を超えた力で目標数を達成し、万々歳で祭典を終えた。(終わり)

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