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コラム 樹海

 猛虎の優勝に大阪と神戸は沸きに沸く。感激のあまり道頓掘に飛び込むファンが五千と三百人。興奮のあまり裸体の勇姿を披露し道頓掘を目指した少年は猥褻罪とかの無粋な法律で逮捕されるのお粗末もあったらしい。が、若者に行き過ぎは決まり物。ここは星野仙一監督率いる阪神タイガースの優勝を祝いたい▼それにしても長くも長い十八年間だった。小柄な身を飛燕の如くに舞い牛若丸の異名をとった吉田遊撃手が監督となって優勝したのが一九八五年。あの優勝の騒ぎは大変なものだったが、今回は観客動員数も三百万人を突破し、郵政公社は阪神優勝を祝福しての記念切手を発行すると比較にならないほどの大騒動になりそうだ。加えて太田房江知事らの肝入りで幻の「御堂筋パレード」が四十四年ぶりに実施することも決まり賑やかさはいや増すばかりだ▼忘れるところだったが虎ファンは海外にも一杯いる。パリでは法被に鉢巻きの虎キチがシャンゼリゼ通りに集まり「六甲おろし」を放歌しながら行進したそうだ。ロンドンも負けてはいない。熱烈ファン百人ほどがトラファルガー公園に集まり噴水に次々に飛び込み気勢を上げた。仏ではセーヌ川に橋から飛び降りた男性が「八十五年に道頓掘に飛び込んだけれども、セーヌ川は臭くない」と声高々に語る▼上海やマニラ、バンコクの「猛虎会」も酒樽を抜いての大祝賀会を開く元気のよさ。「泰国猛虎会」では「十月には動物園からトラを借りてきて祝賀会を」と威勢がいい。我れらがサンパウロ勢は明日十九日に日系パラセで祝勝会だ―さてどんな趣向やらといささか気になる。   (遯)

03/09/18

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