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イタケーラに診療所=援協、開設計画すすめる

2006年12月1日付け

 サンパウロ日伯援護協会(酒井清一会長)は、サンパウロ市東部のイタケーラ区に日伯友好病院の外来診療所を開所する計画をすすめている。順調にいけば来年五月ごろに開業される見通し。病院関係者は「地域住民の方たちにもきっと喜んでもらえる。収益も見込める」と説明している。
 同案は、新規顧客の獲得をねらう同会提携の大手保険会社からの要望がきっかけ。今年初めごろに依頼があり、友好病院の混雑緩和を進めたい病院関係者の間で検討が重ねられ、先月開かれた病院の経営審議会で正式に承認された。
 新診療所はブラジル人医師が経営する休業状態の診療所を借りとり、改修しての開業となる。同医師は援協への譲り渡しを了承しているが、契約にあたり敷金を要求しているため、現在交渉が重ねられている。
 援協としては敷金を支払わない方針で、高額な賃貸料を要求する場合には他の土地を探す意向。順調に交渉がすすめば来年初旬には契約が成立する見込みで、改修費は同病院の運営資金が充てられる。
 開所予定地は同地区の中心地から近い高台にある。総敷地面積は約一千平米、診療所の面積は約五百平米を占める。周りは緑に溢れた閑静な住宅街で、駐車場も十分な広さがある。
 関係者によれば、同地区は人口密度が高く日系人も多いことから十分な利用者が見込まれ、収益も安定する見通しだという。
 同診療所は外来専門として開業され、友好病院の医師が派遣される。治療程度によっては同病院に患者を紹介する形になる。
 病院経営を担当する菊地義治援協副会長は「保険会社からの今回の申し出は、友好病院がブラジル社会から高い信用を得ている証拠。診療所が開所されれば日系人が多い同地区の人々にも大きな貢献ができる」と話している。

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