ニッケイ新聞 2008年11月13日付け
この日、受賞者本人で総領事公邸に足を運んだのは、最高齢百二歳の谷口津喜さん(熊本)と百歳の三浦クワさん(宮城)、坂上りょうさん(青森)、これから百歳の誕生日を迎える鷲見義一さん(岐阜)、秋末とみゑさん(兵庫)、上窪一志さん(鹿児島)の六人と、代理人七人、家族などの約四十人。
先月亡くなった平田義人さんを含む二十七人の名前と生年月日が後藤猛領事によって紹介され、続いて西林総領事があいさつ。総領事は今年、海外で最も多い二十七人が同館管内で表彰されると話し、「記念すべき百周年に百歳を迎え、母国をあとにして努力と経験を積み重ねてきた受賞者の方々に心よりお祝い申し上げたい」と祝辞を述べた。
続いて家族や来賓者が見守る中、本人と代理人に西林総領事から祝状と記念品が手渡された。名前を呼ばれた受賞者はそれぞれ前へ進み出て、「ありがとうございます」と深く頭をさげ、しっかりと祝状を受け取った。
続いて、来賓として出席した文協、援協、老ク連、県連会長らを代表して上原幸啓文協会長が、「長い人生を生き抜いてきたみなさんは宝石の中でもダイアモンド。これからも益々輝いてください。積み上げて来た人生観や経験を若い人たちに伝えてほしい」と力強く話し、乾杯の音頭をとった。
イタペセリカ・ダ・セーラ市から息子のニュートンさんと一緒に出席した三浦クワさんは、今年四月に家族や友人百人以上が集まり白寿の誕生日会を開いたという。
孫とひ孫を合わせると四十人以上。「百歳まで生きるなんて思いがけない恵みをもらいました」と喜びに溢れた声で話していた。
二十歳になる前にサンパウロ市に入植してジャガイモなどを栽培、六十五歳まで農業をしていたという上窪一志さんは、息子の一男さん夫婦と出席。一男さんは、「未だに一人でバスに乗って出かけたりしてびっくりしますよ。耳が遠くて心配だけど」と笑って話していた。
式後は、写真撮影をして、ひとときの歓談をそれぞれ楽しんでいた。