ニッケイ新聞 2008年11月29日付け
「二十年ほど前にも豪雨があったが、それよりひどい。とくに土日に降った雨がひどかった。会館が二メートルも水に浸かってしまった」。二十八日午前、電話取材に応えた角園さんはうなだれるように言った。「会館中が水びたし。年末の忘年会は中止になりそうです」。
同協会副会長の関口健次郎さん(72、茨城県出身)は、二十三日昼から二十六日まで娘の家に避難していた。「自宅に戻ったら泥だらけ。ソファもテレビも全部だめになった。今でも床上八十センチは浸水している」。
農業関係者の被害も深刻なようだ。ショウガと青シソを栽培しているという関口さんは、「サンパウロに出荷する百二十キロのガリが冷蔵庫ごと流されてしまった。三カ月は何もできないだろう。本当にまいった」と声を落とした。
角園さんによれば、六十の会員家族から行方不明者などは出ていない。また今回の豪雨を受け、食料品や水の確保のためにスーパーでの集団略奪などが発生したが、現在は警官が入り、沈静化しているという。
同市から九十キロ離れた州都フロリアノーポリス市のニッポ・カタリネンセ協会の新里エリジオ会長は、「私たちのところの被害は少ない。大丈夫です」と冷静。
同協会ではイタジャイ市民のために、チョッキや食料・生活用品を日曜日までに送る予定。また、同日本人会に見舞金を送る計画もしている。
関口さんは「クリチーバ領事館からも安否を確認する連絡があった。被害がひどいところもありますが、私たちの日本人会では何とか大丈夫そうです。安心してください」と語っている。