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W杯=アマゾナスの会場オープン=不完全さや将来に不安の声

ニッケイ新聞 2014年3月11日

 今年のワールドカップ会場のひとつであるアマゾナス州マナウスのアレーナ・アマゾニアが9日にオープンした。だが、現状で大きな課題も残している。10日付伯字紙が報じている。

 総工費約6億レアルとされるアレーナ・アマゾニアは、2011年に建設がはじまり、97%が完成した9日に正式オープンとなった。同スタジアムでの?落としは、北伯と中西伯の合同選手権の「コパ・ヴェルデ」の地元マナウスのナシオナル対パラー州ベレンのレモとの試合だった。

 この試合には2万3千人の観客がつめかけ、44万3700レアルの興行収入を得たが、スタジアムの定員、4万2374人には到底及ばない。

 アマゾナス州のオマール・アジス州知事は「このスタジアムの最大の難関は、将来的にどういう用途を与えるかだ。白い巨象のようなものにするわけにはいかない」と語っている。同スタジアムは維持費に50万レアルかかると見られているが、現時点でアマゾナス州のクラブ・チームには全国選手権で3部以上のチームは存在しない。

 また、スタジアム内でも問題が多く見受けられている。このスタジアムの駐車場は現時点では出来ておらず、観客はバスやモノレールの利用に頼らざるを得ない状況だ。また、中に入ると、座席がセメントで汚れていたり、壁が漆喰だけのままで終わっていたり、雨漏り用のバケツが散見されたり、冷房が一部作動しなかったり、という問題が指摘された。観客の評判が最も悪かったのは、売店で水1本3レアル、350mlの飲料水も4レアルなどの価格の高さだった。

 9日の試合の際は、スタジアムの外で小規模ではあったが、マニフェスタソンも起こった。「こんなものを作るより、教育や保健、交通をもっと充実させてくれ」と抗議者たちは訴えていた。

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