ニッケイ新聞 2008年8月21日付け
このフェイラは、ノロエステ線の駅舎跡を改造したもので、屋根がついている。中央の歩道をはさんで、片側には日本的な食材を売るバラッカが並び、もう一方に沖縄ソバ屋が数十件と軒を連ねている。
「寿司」「焼き飯」「焼きそば」などと、ソバ以外の食べ物の名前を書いた提灯が飾ってあり、日本情緒が漂う。まるで日本の縁日のよう。中には「祝 笠戸丸移民から百周年 ご苦労さま。ありがとうございます」と、日本語で書かれた垂れ幕も。
どの店でも、ソバの値段はほぼ同じ。麺とスープ、具がどんぶり一杯になみなみと入っている大盛り(グランデ)は、一杯十レアルほど。中が八レアル、小が六レアル前後と手ごろだ。
デカセギ帰りの沖縄系三世の男性が経営するソバ屋では、トッピングに豚肉と牛肉を選ぶことができた。牛肉を注文すると、エスペチーニョの肉を取り外し、錦糸玉子とネギを一緒に豪快に盛り付けてくれた。
記者をフェイラに連れて行ってくれた同市在住のモトタクシー運転手も「ソバは美味しくて好き」。沖縄の代表的な食文化の一つが、独自のスタイルを築きあげて、この地にしっかりと根付いていることが実感でき、とても面白い。(泰)
写真=上)牛肉と錦糸玉子、ネギが大盛りのソバ 下)平日水曜の夜に関わらず、どのソバ屋も大賑わい