ニッケイ新聞 2009年7月2日付け
写真=カプリッショーゾ2日目の山車の様子。ワニなどの動物がみな動いている
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マナウスに工場のあるホンダ・ド・ブラジル社は、この祭りの公式スポンサーの一つだ。真っ赤なTシャツを着た同社の大久保進マリオさん(55、二世)は、「ブラジル文化振興のために、二十年前から協力させてもらっている。弊社は環境問題を重視しているので、アマゾンの大自然を礼賛し、伝統を守るこの祭りはまさにうってつけの素晴らしいもの」と声を弾ませる。
写真=ホンダ・ド・ブラジルの大久保進マリオさん
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「カボクロの歴史、インディオの伝説などブラジル独自の文化だけでここまでやっていることがすごい。ここまでやってくるのが遠くて大変だが、その甲斐があったよ」
写真=横畑武田勇造さんとジュリアナさん
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会場には大阪から新婚旅行にきている日本人夫婦もいた。夫の南山透さん(35)は「新婚旅行にアマゾン行くと言ったら、友だちから物好きですねと言われました」と笑う。聞けば、初のブラジルで、二日目にはこの奇祭会場にいるという。
舞台と観客席が一体に=ブンボードロモ会場
野球場ぐらいの大きさのブンボードロモ中央部が舞台。それを取り巻くようにぐるり観客席が作られ、一番舞台に近いかぶりつきは観光客、二階席は応援団が占める。
観客席は左右にきっちり分けられ、片方がガランチード、反対側がカプリッショーゾの専用席となる。その中間に入退場門がある。
牛祭りのルールでは、相手チームが演じている間は、踊ったり叫んだり邪魔してはいけない。もしそうすると審査員が減点し、相手に益することに。その代わり、自分のチームが始まると歌うわ、踊るわ大変な騒ぎ。舞台と完全に一体になった踊りをする。サンパウロ市やリオのサンバ会場でも踊ったり歌う姿は見られるが、チームとの一体感は牛祭りの方が遙かに上。あれは客席ではなく、舞台の延長という雰囲気だ。
会場正面には日本庭園=上塚司の胸像立つ
三二年、日本に財団法人「アマゾニア産業研究所」、三五年に「アマゾニア産業株式会社」を設立。翌年には、「アマゾニア産業」(ブラジル側)の社長に就任し、ジュート栽培に取り組む。戦後アマゾン日本人移民の再開に辻小太郎とともに尽力するなど、その一生をアマゾン開拓の夢に費やした。
この胸像は高拓生OBらによって一九八一年十月に建立された。上塚氏の経歴が正面に、側面と背面には各派遣年ごとの氏名が刻まれている。
また庭園内には、東洋風の東屋も立てられている。
写真=ブンボードロモ正面にある日本庭園には、上塚司の胸像が建立されている
ワイヤーで動く、動く=動物の手足が全て手動で
これは内部に作った滑車とワイヤーのからくりにより、中に隠れた人たちが手動で動かす。一晩で二百五十人もがこの裏方に回るという。
山車の広さは六百平米もあり、その上に高さ二十メートルもあるようなワニ、サル、蛇、フクロウなどが作られ、内部操作で手足や顔が動くようになっている。
この技術は全伯で最も優れており、パリンチンスの職人がリオやサンパウロ市のカーニバルの山車つくりに出張していることは有名な話だ。一説には約七十人もの職人が毎年三~六月はパリンチンスの山車を作り、その後はリオやサンパウロ市に赴く〃デカセギ〃生活だという。
写真=観客席まで覆い被さるぐらいにせり出してきたガルサの山車