北朝鮮という国は解らない国家である。金正日総書記が一人で国を治め気に入らぬ者は収容所にほうり込む。平等であるべきな国民が飢え死のうが、そんな事は問題としない。日朝実務協議における態度も、まったく理解不能と申し上げる他はない。安否不明の拉致被害者十人についても「八人死亡、二人未入国」と従来からの主張を繰り返すばかりでは、日本の不信感が強まるのも当然というものである▼横田めぐみさん死亡にしても、日本側にはさっぱり解らない。それでも、遺骨なるものを提示され日本に持ち帰ったのはいいが、いったん埋葬したものを掘り起こして火葬したものだという。このような遺骨を使ってDNA鑑定をするのは非常に難しいのだそうだ。そのために警察庁も困惑しているらしいのだが、北朝鮮には関係のない人骨を拉致被害者の遺骨と偽った前歴もあるし、横田めぐみさんの「遺骨」と称するものも、うかうかとは信じられない▼考えて見れば土葬したものを二年か三年してから掘って火葬にするというのも変な話である。普通なら火葬にしてから埋葬するものであり、この反対は珍しい。これでは拉致被害者を救う会の人々が怒りを爆発させるのも無理はない。中山成彬文科相や小池百合子環境相が「うそばっかり」と非難するのも当たり前。この拉致問題に長く取り組んでいる安倍晋三氏は、経済制裁に踏み切るべきとの論を張っているし、世論の八〇%も制裁論であり、食糧支援も中止せざるをえないのではないか。 (遯)
04/11/20