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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年7月3日付け

 文協で毎年恒例の白寿者表彰式を取材。家族の代理出席の方も大勢いたが、元気な姿を見せた人もいて、会場には温かい空気が流れていた。受彰者には表彰状と記念品、金一封が授与された。
 式の最後、受彰者を代表して矢野若江さんが謝辞を言う際に、気になる場面があった。
 椅子に腰を掛けている矢野さんに対して、介助がありながらも、ステージの中央にあるマイクまで歩かせようとする様子は、何か急かしているようで、見ていてハラハラした。会場は静まり、その一挙手一投足を見守っていた。
 しかし、それは要らぬ心配だった。さすがは白寿者代表である。ゆっくりと歩いていき、百年の思いがぎっしり詰まった謝辞を語った。
 その姿に会場からは割れんばかりの拍手が沸き、温かな雰囲気に包まれた。日本人の誇りを感じた式典だった。(仙)