5日の統一選一次投票で大統領選は決選投票となる事が決まった直後の8日、連警のラヴァ・ジャット作戦で捕まったペトロブラス元理事と闇ブローカーが、「連立与党3党がペトロブラスの事業契約額の3%の賄賂を受け取っていた」と連邦裁判所で証言した▼これに対し、ジウマ大統領は10日、「決選投票直前になって労働者党や進歩党、民主運動党が賄賂を受け取っていたとの報道を流すのは政治的な策略で、国に損失を与えかねない行為だ」と批判した▼ジウマ氏としては野党批判だったのだろうが、これを受けて「8日の証言は公のもので、情報が漏れたといった類のものではない」と反論したのはパラナ州連邦裁判所の裁判官。大統領選対抗馬のアエシオ・ネーヴェス氏は、ジウマ氏の反応を絶望的な悪あがきと捉えている▼今回の統一選では、支持率トップの現職大統領が一次投票の直前まで相手候補への批判に終始した事が際立った。ブラジルの選挙では政策をアピールする事より相手の足を引っ張る内容のキャンペーンが多いと常々感じていたが、今回は例年以上にそう感じた▼そこへ輪をかけたのがペトロブラスとの癒着を指摘された事へのジウマ氏の批判で、「選挙期間中に湧き上がる告発は証拠もなく、選挙が終われば誰も責任を取らないままうやむやになる」とまでのたもうた▼過去の大統領選では、PTがたきつけたと思わざるを得ない機密文書漏洩事件が繰り返し起きたが、今回はそれがないと思っていた矢先に起きたPT絡みの汚職摘発。決選投票の論点は汚職と経済問題と言われており、建設的な部分が見えない限り、ジウマ氏のイメージ低下は続きかねない。(み)