6日付エスタード紙で11年2月に起きたリオ州判事の交通違反問題を読み、まさかと目を疑った▼同件は8日付弊紙2面でも取り上げたが、免許不携帯の上、ナンバープレートもない高級車を運転していた判事が、交通局職員に違反切符を切られ、車は没収と言われた後、「自分は判事だ」と名乗り、「逮捕する」とのたもうた。交通局職員は規定通りの業務を行い、警察に連行されそうになった訳だ。この職員は判事の職権乱用だと訴えたが、裁判では「判事といえども神ではない」との同職員の言葉が「侮蔑」にあたるとして、賠償金の支払が命じられた▼法の番人のはずの判事が違反行為を犯した上、切符を切られて逆上という図はお粗末極まりないが、その同僚まで同じ穴の狢かと思うと背筋が寒くなる。11年9月、国家司法審議会メンバーだったエリアナ・カルモン判事が「法服を着た悪人がいる」と発言して物議を醸し出した事や、翌年9月5日に彼女が退任した時、法曹界の自浄機能はどうなるのかと懸念した頃と何も変わっていないのだ▼まともな判事なら違反行為を摘発されれば恥じ入るべきだろうが、逆上するのだから始末が悪い。別の判事も仲間をかばい、規定通り業務を行っていた職員を犯罪者扱いする。インターネット上で賠償金支払のためのカンパに応じた4千人余りの人達や、その後の報道で事情を知った人の多くは法曹界の不始末に業を煮やしていると信じたい▼カンパなどの動きが起きた後、国家司法審議会も同件の調査に乗り出したが、軍などに信頼する人が68%いる一方で、裁判所に信頼する人は32%という数字も庶民の不満の表れに他ならないのでは。(み)