検察庁長官宅が1月末に賊に襲われ、同長官の身の安全を脅かすような情報がそれ以降続いている▼2月28日付の新聞報道は、連警のラヴァ・ジャット作戦(LJ)で名前が挙がった政治家達が起訴される事を嫌う何者かが動いたとの印象を与える。ロドリゴ・ジャノー長官は自宅が襲われた事とLJとの関与を否定し、連邦直轄区の警察は一般的な犯罪と見て捜査中というが、連邦検事達の協会は二つの件は関係があると見ている▼当時既に検察庁はカーニバル後に疑惑の政治家を起訴する意向とされ、ブラジリアに集まる政治家の会話は「検察のリストに誰の名前が盛り込まれるか」という話で持ちきりとも言われていた。その事を考えれば、検察庁長官宅に押し入った賊が銃や金目の物は奪わず、門の遠隔開錠機だけ盗んだというのは、精神的な圧力をかけるための手段ではないかと勘ぐってしまうのだ▼LJではペトロブラスを舞台とした大型汚職が繰り広げられていた事が次々に判明。逮捕された容疑者や被告が報奨付の供述に加わるたびに新しい事業も贈収賄の対象であった事が明らかになり、次の捜査は電力関係の事業に広がる見込みだ▼金や権力が絡んだ話が汚職に発展するのは簡単であり、そうした方法で手にした金は所詮はあぶく銭だ。不正がばれるのを恐れ、戦々恐々としていれば、精神的に落ち着く事もないだろう▼ジャノー長官が今週提出するといわれるリストに何人の政治家の名前が載るかは知らないが、在任中に「汚職は反吐が出るような犯罪だ」と語ったルーラ前大統領のお膝元の労働者党も無傷ではいられまい。政界浄化は困難だが、不正のはびこる国に繁栄はない。(み)