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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年7月26日付け

 過疎化した村を活性化させようとしている取り組み、成功例などを取り上げた事例がNHKでよく紹介される。色々な方法論が説かれるが、いかに若者を定着させるかに尽きるようだ。若者の不在は将来の不安、という問題は世界レベル。コロニアでもよく聞く嘆きだが、そんな心配を吹き飛ばすような熱気を感じた。22日にあった『第9回ブラジル太鼓選手権大会』だ▼600人が全伯から参加、優勝チームの涙がそれまでの練習や思いを物語る。同日夜、ガルボン・ブエノ通りは大渋滞となった。普段の路上駐車に加え、地方からの参加者を迎えるため大型バスが多く乗り入れたからだ。単純に立地条件の問題ともいえるのだが、鳴り響くブジーナの音のなかで、伝統的なカテゴリーに収まらない若者のパワーを感じた▼その枠から早々と飛び出したのが「YOSAKOIソーラン」だろう。こちらは今週末29日、ヴィア・フンシャル(Rua Funchal, 65, Vila O-limpia)で『第10回大会』(正午・午後5時)を開催する。節目であることから本紙では11回の連載(今月10〜24日付け)にまとめた▼大きく取り上げたロンドリーナの「グルッポ・サンセイ」は昨月、本場・北海道の大会に出場。その資金捻出のため、青年らがイベント開催や企業回りまで行なったという。こうした活動は社会人になっても、コロニア団体運営などにも役立つに違いない。この二大コロニア芸能(若者を主体にした意味で)が、10年でここまで大きなイベントに成長したのは注目に値する。青年らだけでなく、導いてきたリーダーたちの支援にも敬意を表したい。(剛)

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