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JICA=日系社会ボランティア30周年=リレーエッセイでたどる絆=第12回=サンパウロが大都会で驚いた

アルジャの老人会で認知症予防の話をしたときの様子

アルジャの老人会で認知症予防の話をしたときの様子

 配属先はサンパウロ日伯援護協会です。職種は高齢者介護で、巡回診療の同行、援協3階福祉部や援協傘下の老人ホームや奄美事業所、サンパウロ市内にあるデイサービスシャロームやAFAIでレクリエーション活動を行なっています。
 私は日本で、老人ホームや療養型病院などで介護福祉士として働いた後、介護支援専門員や介護保険に係わる事務など、介護関係の仕事をしてきました。
 そんな私がなぜブラジルに来たのか。私は学生の頃から日本とは違う国やその文化に興味がありました。日系社会青年ボランティアを受けた当初、派遣国はドミニカ協和国しかなかったのですが、たまたま面接の時にブラジルのサンパウロ日伯援護協会も募集しており、来る事になったわけです。
 ブラジルに来た当初、日本の田舎から来た私はサンパウロがあまりにも大都会だったので、驚きました。
 家がある町では、電車を1本逃すと1、2時間待つことが当たり前だったのですが、サンパウロの地下鉄は3分も待てばやってきます。ただ、残念なのは、星が見られないことです。
 しかし、巡回診療で訪れるサンパウロ州内にある53か所の日系移住地の中では、私が住んでいた田舎に似た地域も巡回します。そこで、医師や看護師らと共に、健康診断(問診・血液検査や心電図、婦人科・眼科検診など)の手伝いや問診を待っている受診者を対象に認知症予防についての話やアンケート調査を実施しています。
 私個人としては結果待ちの高齢者に色々とお話を伺うこともしています。こちらの高齢者のお話は、どの方のお話も私にとっては目から鱗のような話ばかりで、ブラジルに渡った日本人の苦労を知る上で大変貴重だなぁと日々感じています。
 私にとって、一番印象的な話は第2次世界大戦後にシベリアへ抑留された方のお話でした。日本でもそういう話を聞く機会は今ではほとんどなく、まして日本から遠く離れたブラジルでその話を聞かせて頂けるとは思ってもみませんでした。
 認知症予防の話は皆さん、興味があるようで、再度講演をして欲しいと依頼されることもあります。この間もアルジャの老人会やサントアンドレの老壮会に招待されました。どちらの高齢者の方々も健康に対する意識が高く、老人会の集まりを楽しみに過ごされています。
 今後もこちらの高齢者の方々が健やかに楽しく過ごせるお手伝いをしていきたいと思っています。


岡本 洋美(おかもと・ひろみ)

【略歴】兵庫県出身。36歳。日系社会青年ボランティア(高齢者介護)としてサンパウロ日伯援護協会に2015年6月に赴任、任期は2017年6月まで。

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