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コラム 樹海


 日本には「国連中心主義」を唱え金科玉条とする向きが多い。だが、実体はどうだろう。イラクへの武力行使を巡って米英と仏露中が真っ向対立し国連が機能不全に陥ったのは記憶に新しい。安全神話に彩られる安全保障理事会にしても、とてものほどに万全とは申し難い。仏が米の攻撃に反対した理由は一つ。イラクの石油資源なのは明らかだ▼安保理は今やいろんな国が国益をかけて戦う「角逐の場」と指摘する識者は多い。それにも拘わらず「あらゆる問題が安保理の議題になる」と語るのは波多野元国連大使なのだ。考えて見ると、この安保理一極化は怖いし、日本も国連を見直し健全化を検討してもいいのではないか。一般は知らない人が多いだろうが、、国連予算の分担金を見ても日本は多額の資金を出している▼日本の分担率は米の二二%に次ぐ一九・五%に達している。年間にすると約三百七億円を真面目に支払っているのだ。驚くのは安保理常任理事五ヵ国のうち英仏露中の四ヵ国を全部足しても日本一国よりも少ないのが現実なのである。もっと酷いのは非常任理事国十ヵ国であり分担率が〇・〇〇%台の国々の賛否で世界的な諸問題が決められてしまうのだ▼「一国一票」制度が国連の規則ではあるけども、何処かがーおかしくなっていると思わざるをえない。常任理事国が持つ「拒否権」も、会議をスムースに運営するために本当に必要なのかどうか。分担金もながら拒否権についても、国連は抜本改革に取り組み討議した方がいい。  (遯)

03/05/24