固い氷に閉ざされた北朝鮮の動きは謎が多すぎる。国民が飢餓状況に追い込まれているのに軍備拡大に勢力を注ぎ込む。覚醒剤の輸出に力を入れ日本領海には工作船を繰り出し自爆沈没もある。ノドン、テポドンのミサイル開発も進む。中でも危険このうえないのは核爆弾の開発である。既に一発か二発は保有しているの情報もだが、米議員団には「さらに製造する決意」と言明する▼金正日総書記が率いるこの国の脅迫と瀬戸際外交はよく知られる。核兵器生産を武器にして食糧支援や重油をと叫ぶ。国民が食べるものがなく困っている現状には同情するし救援の手を差し伸べたいのは人間として本性でもある。だが、支援したコメの配給先が政府の幹部や軍部に限られる事実は余りにも有名で普通の困窮した国民には届いていない▼こういう国が何故?原爆の生産なのか。国家の衰退・崩壊が近づき土壇場になると「強がり」を示したいのは歴史が教える。夜郎自大の言葉もあるし。北朝鮮は考え方を見直すべきは言うを待たない。サミットは北朝鮮に対し「核兵器開発の廃棄」を要求したし国際社会の声も全く同じである。日本も中国もロシアも韓国も欧州諸国もアジア、アフリカ諸国家もが揃ってである▼金正日総書記も、こんな国際世論を無視することはできまい。中国やロシアが主張する「平和的な解決」が理想だし夢だけれども、経済制裁などの「圧力」がより効果的なのも忘れてはなるまい。必要なのは「対話」と「圧力」なのである。 (遯)
03/06/05