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東西南北

3月10日(木)

 クラック(麻薬の一種)取引の拠点となっているサンパウロ市中央部ルース区クラコランジアで連警と市警、軍警が八日に一斉取り締まりを開始、十一日まで継続する。初日は七百四十人が取り調べを受けた。内七十人はナイジェリア人。他にボリビア人やペルー人もいた。州政府は同地域の再開発計画に取り掛かり、麻薬取引の一掃、売春の取り締まりを行う。街灯や道路標示の交換や公共建築物の塗装、市街地の清掃を行い、イメージを一新する。
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 未成年支援財団(FEBEM)のラポーゾ・タバーレス更生施設で八日、二〇〇五年に入って十五回目の暴動が三時間にわたって発生した。収容者らは部長二人を含む職員十七人を人質にとり、三十六人が脱走した。事件は朝九時半、収容者十二人が職業訓練所へ行くため正門を開いたところ、中庭にいた八十六人が一斉に正門へ走り脱走。五十人は直ちに職員によって拘束されたが、その時全棟で一斉に暴動が始まった。
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 大雨によりミナス・ジェライス州では現在七十一市が非常事態にある。昨年末から八日までの死者数は十八人に上った。マテル・ランジア市では二十の橋が流され、数集落が孤立。ゴヴェルナドール・ヴァラダーレス市では千四百五十人が避難生活を余儀なくされている。ベロオリゾンテ市では、近くの排水溝があふれてパンプーリャ空港のロビーが水浸しになり、八日朝まで十九時間閉鎖された。
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 サンパウロ市社会福祉局は八日、信号待ちの車を相手に物売りをしたり、施しを求める子どもをなくすプログラムを六月から開始すると発表した。九十人の市職員が十三台のコンビ車を使って市内を巡回、信号にいる子どもから住所や家庭事情を聞き取り、家族とも社会支援プログラムに参加させる。市内では約三千人の子どもらが交差点で働いているという。

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