ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

2007年9月5日付け

 サンパウロ市内のバイロの各文協は、おおむね創立四十周年を迎えている。四十年という歳月を経て、創立会員は活動の第一線を退き、幹部役員は、わずかの戦後移民を除き、ほとんどが二世、三世と代わった▼サウーデ文協は、四十周年の記念式典をさきの土曜日の午後三時に始め、そのあと会食、カラオケダンスパーティで楽しんだ。文協の前身の多くが「日本人会」と名乗り、一世が主要役員を占めていたころは、たぶん考えられなかった〃楽しみ方〃だろう▼一世ならば、一世流に威儀をただし、日曜日の朝に開催したはずである。この創立記念行事のあり方を今とやかくは言えない▼サウーデ文協の場合、四十年前の創立会員が三十数人(家族)であった。いま、およそ十倍の三百家族。もともと日系人の多いバイロだった。会員の増える素地は十分にあった。ただ、いわゆるお堅いことのみ、年間行事・事業に盛っていたら、おそらく、こうした会員数にはならなかったにちがいない。楽しく面白く、惹きつけるものがあったから入会者が増えたのである。従来の日本人会にしても、設立趣旨の軸は会員親睦である。それでも「事業をしなければ」を振り回す嫌いはあった▼バイロの文協によっては、若者離れがいわれて久しい。現在サウーデ文協の活動において、若者層の参加はどの程度だろうか。会員の厚い部分は二世でも中高年の域に入っていく。若者層が寄らないと、末広がりは望めない。先を長期に見通すのも現執行部の仕事である。(神)