ニッケイ新聞 2007年10月9日付け
外山脩氏による「百年の水流」が受賞作に選ばれたコロニア文芸賞。今回の応募作は二十三作品と例年より多かった。「日本人は自分から応募する人は少ないですよね」と話す中田みちよさんら選考委員は、出版社などに問い合わせ、執筆者に応募を依頼したようだ。「パラグアイ七〇年誌」や雑誌などもあるが、昨年五月から今年六月末までにコロニアで出版された本の数と見ていいようだ。
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ISECのデカセギ子弟教育問題討論会で聞いた、日本には専門の日本語教師がいるのに、公立校の外国人取り出し教室では国語教師が教えているという話は、実に非効率的だと感じた。国語教育は日本人を育てるための教育であり、外国人としてのアイデンティティを尊重しながら日本語を教えるのは「外国語としての日本語教育」だ。毎年、JICA青年ボランティアがやってきて、ブラジルでの現場体験を深めて日本に帰っていくのだから、このような人材を活用しない手はないのでは。
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川畑家の移住五十周年を記念して作られた記念碑。碑が設置された長男・幸一さん宅の日本庭園は、池や石などが配置された立派なものだ。庭師の梶原祥天さん(68)によれば、石は全て化石だという。「日本庭園なんかよりも置いている化石のほうが値段は高いですよ」と豪快に笑う梶原さん。実際に石を見てみたが、化石かどうかは分からなかった。