ニッケイ新聞 2009年6月5日付け
多くの百周年事業のなかで、特に意義を感じたのは、サンパウロ州教育局の日本文化体験プログラム「ビバ・ジャポン」だ。
数十万という子供たちが〃ニッポン〃を体験した。将来の日伯友好の素地となるだろうーそう思うと胸が熱くなった。
同プログラムを提唱したのは日野寛幸さん。十歳で移住、USPを卒業後、公立校で化学を教えた。現在、教育局のコーディネーターを務める。
その日野さんが現在取り組んでいるのは、帰国出稼ぎ子弟の問題だ。
昨年の調べでは六百人が帰国。「今年に入り、再入学の問い合わせが急増している」という。
州レベルで帰国子弟問題を扱うことはなかった。「ビバ・ジャポンもそう。日系が初のモデルになれば」と話す。
「今まで問題にもされなかったが、残された子供が非行に走るケースも多い」。日野さんが心を砕く日々は続く。(剛)