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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2013年12月13日

 移民史料館で開幕した西村俊治展。明治生まれの彼の生き様は、「思い立ったらすぐ行動」という言葉そのままだったようだ。農工学校創設時もパラナ州のドイツ人学校を視察に行ったとか。
 私心よりも他益。その一点は揺るがないものだったようだ。「いかにも明治らしいと言える人物は、今後生まれてこないかも」との声も聞かれた。この言葉には、後世への期待も込められていたと思いたい。
 「ブラジルの農業発展にいかに貢献するか」を第一に考え、プラスチック製品の輸入緩和を、大胆にも軍政の大統領に直訴したとの逸話も凡人離れしている。大統領を口説くなど、明治人の生き様を垣間見せるものだ。
 そんな西村氏だが、自家用ヘリでサンパウロ市まで来たついでに、大好きなカップ麺を丸海で買っていた姿を見たとの声も聞く。あまり〃偉人〃に仕立てあげず、人間ニシムラを後世に伝えたい。(祐)