7日午前、フランスの週刊紙シャルリ・エブドがテロリストに襲われ、風刺漫画家4人を含む12人が殺され、11人が負傷した。犯人達はイスラム教の預言者ムハンマドへの「侮辱への報復」と叫んでいたとされ、7日、8日のメディアはこの事件の報道が大半だ▼風刺漫画は折々の動きを鋭く捉えており、ブラジルでも人気がある。7日の場合、昨年のW杯の結果にかけ、ドイツの国旗とブラジルの国旗を並べた上で2015と書き込んだ絵もあったとラジオで聞き、笑いながら出勤したら、とんでもない事件が起きたというのが実感だ▼TVのニュースなどでは、路上に倒れ、手を上げて「撃つな」と制した警官に止めをさす場面も流れるなど、無情さが際立つ。文字や写真か漫画かという形や日刊か週刊かという違いこそあれ、新聞という媒体が標的にされただけに、単なるテロというより、「言論の自由」「表現の自由」に対する暴力であり、干渉だとの思いも走る▼昨今のイスラム教世界では、ムハンマドが唱えた「神の道」に基づく理想の国建設のための奮闘や努力を意味する「ジハード」を、異教徒との戦いや防衛戦などのより狭義の外へのジハードに特化し、本来なら「キタール」と呼ばれる、世俗的な欲望や憎悪などに基づく戦争まで聖戦に転化していると思われるグループも目立つ▼本来のジハードはイスラム教世界に益にならねばならないのに、パリでの事件やイスラム国の行動は国際的な反発の方が大きい。当日はイスラム教の聖地でもあるエルサレムの岩のドームにも雪が降った。ムハンマドやアラーの神は一連の動きをどのように見ておられるのかと考えたのはコラム子だけか。(み)