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新年のごあいさつ 2

県連あいさつ文=日伯120年の絆=ブラジル日本都道府県人会連合会会長 本橋 幹久

本橋 幹久

本橋 幹久

 新しい年2015年を迎えるに当たり、新年のお慶びと共にご挨拶を申し上げます。
 本年は「日本ブラジル外交関係樹立120周年」の節目の年に当たります。1895年に締結された「日伯修好通商航海条約」は、農業生産を基盤として発展していたブラジル国が、奴隷解放後不足していた農業労働力を補うための移民導入という要望と、ハワイ、北米移民排斥問題後の移民送り出し先の必要性という日本国の要望とが相まったこともあって、この条約が締結されました。そして1908年の第1回移民船「笠戸丸」へとつながるわけです。
 こうして見ると、私たちブラジル日系コムニダーデの歴史は、107年前の「笠戸丸」からには間違いありません。しかしその歴史の前書きは、すでに1895年から始まっており、本年はその120年目の意義ある節目とも言えましょう。
 昨年2014年には、私たち日系コムニダーデあるいは県連にとりまして、日本との関係で主要な出来事が二つ有りました。一つ目はワールド・カップ・ブラジル大会に際し、サンパウロでは総領事館と共に日系5団体協力して日本人訪問者支援委員会を組織し、活動致しました。
 二つ目は日本国総理大臣安倍晋三のご来伯です。ブラジルでの両国間の各種取決め、共同声明などの後、サンパウロでの日系コムニダーデと日程も精力的にこなされ、メッセージや各種支援も表明されました。
 私たち県連は、「日本祭りに対する支援」と「各県受入の留学研修制度への支援」の二項についての要望書を、サンパウロ総領事館を通して提出しておりましたが、安倍総理が日本移民開拓先没者慰霊碑へ献花して頂いた後、「日本祭りへの支援の件は承知しているから」と直接に話して頂きました。
 その後、私は8月と10月に訪日する機会があり、安倍総理ご来伯に随行されておられた世耕弘成内閣官房副長官にお会いし、要望書の補足説明等を致しました。また地方創生担当大臣石破茂にも会って頂き、安倍総理への要望書の一つである県受入れの留学研修制度への支援の件を説明いたしました。
 特に10月の際には梅田大使、福嶌サンパウロ総領事のご配慮も頂いて、外務省の方々ともお会いし日本祭りへの支援方法の一端をお聞きいたしましたが、具体的にその内容を発表して頂くのは、時節柄の事もあり少し先となりましょう。
 県連と致しまして本年実施し、日系コムニダーデにも幾らかでも役立てればと思う主な事項は、先ず内には、「各県人会のさらなる活性化につながる活動」。日本の全国知事会との連携が可能であれば「各県人会と母県との関係強化の検討」。対外事業としては、第一に「第18回日本祭り」を、今年は日本政府の支援出展も実現し、日伯外交関係120年を記念して、「日伯120年の絆」をテーマに成功させることです。
 また地方の日系社会との繋がりに役立つとも言われている「移民ふるさと巡り」の充実。その海外版ともいえる日本移民移住国への訪問交流を、海外日系人協会との連携で実施。東北被災地との交流、特に原発問題が続く福島との関連行事など。心して努力致します。
 皆様方には今年も宜しくご指導、ご鞭撻下さいますようお願いいたします。


当協会も創立60周年=ブラジル日本文化福祉協会会長 木多 喜八郎

木多 喜八郎

木多 喜八郎

 ニッケイ新聞愛読者の皆様、あけましておめでとうございます。
 旧年中はブラジル日本文化福祉協会に対し温かいご理解とご支援・ご協力を頂きまして誠にありがとうございました。ブラジル日本文化福祉協会理事会はじめ関係者一同、新たな気持ちで皆様のご期待に沿うよう邁進してゆく所存でございます。本年も引続き一層のご支援をお願い申上げます。
 昨年私共日系社会ではワールドカップ・ブラジル開催につき、日本からの観光客等との交流事業が皆様方と連携で無事終了することができました。
 その他、サンパウロ市イビラプエラ公園内に建設されています『日本館』の設立60周年式典も挙行され、日本国安倍内閣総理大臣のご訪問もありました。日本とブラジルの経済貿易友好関係の更なる緊密化の促進が期待され、年間を通じて様々な人々との交流事業が開催することができ、活動の多い年でありました。
 今年の干支は羊年、世界中の人々にとても馴染み深い動物であり、群を作って行動するところから、言い換えると、安泰と財を成すことを示しているとも伝えられています。
 ブラジル日本文化福祉協会も今年は創立60周年を迎えます。日本の篤志家よりの御寄付により昨年から始めた移民史料館の史料収蔵庫及び事務所の改修工事が完了し、大講堂の改修工事や体育館を多目的ホールに衣替えする工事など、空調システムが設置された文協ビル内の各種改修工事が昨年12月に完了し、今年1月より多くの方々にご利用頂ける場所を提供出来る事になりました。 また、2015年は日伯修好条約120周年にあたり、昨年より『日伯外交関係樹立120周年記念事業ブラジル実行委員会』が在ブラジル日本国大使館を中心にブラジルで立ち上げられました。
 当文協を含む日系主要団体も一年間を通して行われる様々なイベントに協力し、積極的に参加する所存でありますが、日伯交流事業の更なる発展と強化に繋がってゆくものと思われます。
 尚、今年は在サンパウロ日本国総領事館の開設100周年という大きな節目にも当たります。還暦を迎えますブラジル日本文化福祉協会と共にブラジル日本移民の歴史を刻みつつ築いてこられたサンパウロ総領事館の100周年を祝福し、今後ブラジル日系社会と日本との絆がより一層強まっていくことに大きな期待を寄せているものであります。
 昨年より危惧されている自然現象がもたらす多くの課題はございますが、私ども日系社会はその難関を新たな起点として、どのように貢献できるかという今後の課題があり、このときこそ、日本とブラジルの水・食料に関してのパートナーシップの実現が不可欠となってきます。更なる日本とブラジルの友好関係の絆に、特に両国間の科学技術分野での協力が更に発展できるよう期待感を持っており、私どもはそのために惜しまず協力する所存でございます。
 末筆となりましたが、ニッケイ新聞愛読者の皆様のご健勝と、ニッケイ新聞社の更なるご発展を衷心よりお祈り申上げ年頭の挨拶と致します。


新年のご挨拶=サンパウロ日伯援護協会会長 菊地 義治

菊地 義治

菊地 義治

 皆様、新年明けましておめでとうございます。皆様には希望に満ち溢れた輝ける新年をお迎えになったことと存じます。又、常日頃より、サンパウロ日伯援護協会(援協)に対し、温かいご支援を賜り、篤く御礼申し上げます。
 2015年(未年)の年頭にあたり、援協を代表して一言、新年のご挨拶を申し上げます。
 昨年は6月のサッカー世界大会への日本チームの出場、8月初旬の安倍晋三首相のご来伯と続き、日伯の距離が一気に縮まった年でありました。安倍首相は日伯の経済協力関係深化、医療・福祉分野の連携強化等々、日伯関係の緊密化に向けて積極果敢な方針を次々と打ち出しました。
 さて、2014年度の援協の経営全般に就きましては、不祥事や事故もなく、日伯友好病院の好調な決算を背景に概ね、堅調に推移し、財務内容も着実に好転しつつあります。
 まず、福祉部門に於いては神内プロジェクト(3つの高齢者介護施設改修工事)の着実な実行により、さくらホーム、あけぼのホーム、サントス厚生ホームは見違えるほどに綺麗に、新しく生まれ変わり、入居者は新装成った施設で快適で楽しい毎日を過ごしておられます。又、イペランジャホームに就きましても日本財団からの改修資金援助できちんと改修され、入居者は快適な住環境の下で楽しく暮らしておられます。
 また、特筆すべきはPIPA事業(自閉症児療育学級)がサンパウロ州政府との提携事業として正式認定されたことであり、これにより、今後は州政府の支援が見込まれると共に提携事業として、事業の拡大・発展が大いに期待されます。
 一方、医療部門では中核事業である日伯友好病院が関係者の経営努力により、好調な決算が続いております。唯一、サンミゲル・アルカンジョ市との提携事業である救急診療所とSUS病院の経営が未だ軌道に乗っておりませんが、関係者の経営努力もあり、経営状況は着実に改善されつつあります。
 さて近年、ブラジルでは公益社会福祉団体に対する法制面の規制強化により、福祉団体の維持・存続が困難になりつつあり、援協も今後はブラジルの政府及び公的機関との提携事業並びにブラジル人及びブラジル社会をも対象とした幅広い事業活動が求められております。
 斯かる状況下、援協の将来への確かな道筋をつけて欲しいとの強い要望がありましたのでこの度、図らずも、もう1期(2015年/2016年)、会長職を続けることに致しました。
 従い、小職に課せられた課題はしっかりとした組織体制作りを行い、援協の将来に亘る長期的な存続の可能性をより確実なものにし、援協精神の原点であります「高齢者及び社会的弱者の救済援護」事業を充実・発展させていくことであり、この課題達成に向け、努力精進してまいります。
 末筆ながら、皆様のご多幸とご繁栄をご祈念いたしますと共に、援協に対するご指導とご鞭撻の程、引き続き宜しくお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。


120周年に文化センター建設=日伯文化連盟会長 中谷 アンセルモ

中谷 アンセルモ

中谷 アンセルモ

 あけましておめでとうございます
 すべてのブラジル人、日本人そして日系人の皆さまにとって、今年がより良き年でありますように祈念します。中国暦によれば今年の干支は未です。当地ではマイナスのイメージがあります。未から仔未を連想し、協調的な、従順な、お人よし、馬鹿正直な人となります。
 反抗心を扇動したくはありませんが、ブラジル人に日系人の性格の一つとして、上記のような「お人よし」と思われていることに怒りを感じてほしいのです。それだけではなく、あるときは告発し、公にし、文句をいい、認められている権利を意識してほしいのです。
 日系人のこのような態度はより倫理面の質を際立たせ、ブラジル社会の一部である日系人に与えられる価値の一つでもあります。市民権を活かすこと、それは本当の愛国心であり、成熟した民主主義のなかで、ブラジル建設に貢献したい気持ちを想起してほしいと思います。
 ブラジルに定住している日本人と我々日系人にとって2015年は特別な年です。私と当地の有識者は最近、訪伯する多数の日本政府高官を迎える機会が増えています。
 ブラジル経済への日本人投資家をより拡大していくこと、ブラジル人日本語学習を増やし日本文化学習交流をより強化すること、ブラジル人学生・専門職・旅行者の訪日を簡素化することを通して、私もブラジルと日本の関係をより緊密にしようとする機運が高まっていると思います。
 2015年は日伯外交樹立120周年に当たり、これらの計画は意義あることです。当連盟は約60年の歴史を持ち、その主要活動はブラジル人への日本語指導と文化の普及です。ブラジルにおける文化活動普及に、日本政府と協働できることは光栄なことです。この役割をさらに進展させるために、次のような計画を実行中です。
a)ピニェイロス地区に「アリアンサ文化センター」を建築中です。周辺には英国文化センター、トミエ・オオタケ美術館などがあり、文化レベルの高い地域です。完成は120周年記念行事の行われる2015年を予定。第一段階は当アリアンサ予算による工事開始。第二段階はすでに確定しているブラジル文化省による「ルアネー法」予算により工事継続。「ルアネー法」とはスポンサー、寄贈者、法人、企業がその年の税金を国内の文化施設やその活動(出版等)に対し使用すると税金の一部が免除されるというシステム。
b)国際交流基金をパートナー(文化提携)とし日本語指導に「まるごと方式」を取り入れること。
C)2015年8月開催の「和食展」に企業FRANCAL FEIRASのパートナーとして参加確定。ブラジル人の嗜好にあった健康食としての和食ブームを利用して、日本食レストラン開店を希望するブラジル全土の投資家が集結する。
 最後にブラジルで長年、働き続け、ご高齢になられたすべての日本人移民の皆さまが末永くお幸せでありますように、ブラジルでも高齢化社会を迎えております。残りの人生をお楽しみくださるようお祈り申しあげます。2015年もお健やかにおすごしください。

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