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チェックアップの重要性と指針=連載(4)=援協総合診療所内科医=南利実

健康広場

2006年2月8日(水)

 高血圧は遺伝性が強い病気です。規則正しい生活を送った上、塩分を控え、果実、果菜、青物、豆類を多く摂れば発症しない場合もあります。世界保健機関の定める一日の塩分摂取量は二グラム。しかしブラジル人は食塩を好み、十二グラムに達しています。
 血圧の標準は、「正常」(百二十~百二十九/八十~八十四/mmHg)と「高正常」(百三十~百三十九/八十五~八十九mmHg)に分類され、両者は高血圧になる確率が全く異なります。
 「高正常」のグループの人は年齢と無関係に、正常のグループより二倍、高血圧を引き起こすリスクがあると言われています。
 標準値は、心臓管系病症のリスクの大きさや血症と心臓脈管、心筋梗塞、脳梗塞との関連の中で決定されたもの。同様に心不全症、腎臓機能、末梢脈管症も血圧の高さにも関係しています。
 高血圧症は一次性本態勢性と二次性本態勢性に分類されます。血圧を高める要因が、存在している場合が二次性高血圧症。全体の約五%を占めています。実際には、高血圧症の原因を突き止めることは困難です。
 糖尿病患者は血圧が低くても、「高正常」(百三十八/八十四mmHg)と診断されます。病気によって、心血脈管病のリスクが増加するため。高血圧の判断は、血圧標準値だけに基づくのではなく、他の危険因子と関連しているということを示しています。
 血圧は日中常に、ストレスや精神状況によって、常に変動しているので、正確な診断をするために数回測らなければなりません。このような高血圧を、白衣性高血圧と呼びます。
 最低血圧(拡張期血圧)最低値が百十mmHgより高くても、心臓、脳、腎臓等に明白な障害が見当たらない時に、ストレス動機とみなします。何回か繰り返して測ると、患者さんが落ち着いて、血圧も下がってきます。
 白衣性高血圧症は、大部分の患者さんが「自宅で測れば正常でした」と訴えます。このような場合は、家庭用の器具を持参していただきます。その上で、診療所で主治医と一緒に測定。標準値と比較して、検査結果を分析します。
 両者の値が一致したならば、白衣性だと判断する一材料になります。白衣性高血圧と診断が下されたら、医師は直ちに変化しやすい高血圧の持主だと患者さんを認識。ストレスを取り除くような治療を施さなければなりません。
 何故なら白衣性高血圧であっても、それ自体の症状は高血圧と同様なのです。治療に当たってまず、MAPAと名づけられた外来診血圧検査を使用。一日の血圧標準値とし、リスクの評価としていくのです。         (つづく)