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カンピーナス大=葉酸含有量トップは茸類=アガリクス擁護論になる?

健康広場

2006年3月8日(水)

 赤血球の形成を助ける、ビタミンB─9(葉酸=acido folico)の含有量トップはしめじ・しいたけ──。カンピーナス大学生化薬の研究グループが八年前から、食品類のビタミン含有量を調査している。このほど、一部の結果が公開された。
 日本では茸類の一つであるアガリクスが、「抗がん力」をめぐって批判にされされ、ブラジルにも大きな余波が押し寄せている。同大の調査結果で栄養価の高い食品と認められる形になったため、生産者らにとっては朗報になるかもしれない。
 研究を実施しているのは、エレーナ・ゴドイさんのグループ。最良のビタミン源をつきとめることを目的に、バーチャル図書館に記載された各種食品類を調べている。月刊誌「SAUDE e vital」が二月号で紹介した。
 ビタミンB─9(葉酸)がもっとも多いのは茸類。茶碗一杯分のしめじが七百九十四ミクログラム、しいたけが六百八十四ミクログラムで、二位のブロッコリー(五百六十八ミクログラム)に百ポイント以上の差をつけている。
 トップ十入りしたのはトマト(二百四十九)、ホウレンソウ(二百三十九)、ロークラ(百)、コウヴェ(七十)、フトモモ(四十三)、ビート(四十一)、アウメイロン(四十)、カジュー(三十八)。単位はすべて、ミクログラム。
 葉酸は水溶性ビタミンでビタミンB複合体に属し、ビタミンMと呼ばれる。「M」は「猿」に由来するもの。米国の科学者がかつて、餌に葉酸を増やすことで、貧血だった類人猿の病気を治したというエピソードに基づいている。
 生体内で補酵素として機能。アミノ酸の代謝や赤血球の形成に関わっているビタミンで、不足すると悪性貧血や口内炎になる。ビタミンCと一緒に摂取すると、消火器を整える作用もあるという。
 胎児の発育にも積極的に寄与。麻痺や精神障害の原因になる、神経システムへの損傷を抑える。妊婦だけでなく、出産適齢期の女性が摂取する必要があるそうだ。受胎の時には、十分な葉酸量が蓄積していることが求められているからだという。
 ブラジル人乳児の七百人に一人が、胎内での葉酸欠如に原因する病気を発症しているとみられている。
 ただ、熱に弱いのが欠点だ。鍋の上で長時間加熱すると、栄養分の七〇%を喪失。生のままで口にするのが理想的だ。ブロッコリーなどはやはり調理しなければならないだろう。ゴダイさんによれば、蒸気ですばやく蒸せば、栄養素を逃さないで済むそうだ。
 また、農薬が食品中の物質を変質させる疑いがあるため、有機食品がお勧めだという。