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チェックアップの重要性と指針=援協総合診療所内科医=南利実=連載(6)

健康広場

2006年3月8日(水)

 中性脂肪
 多くの研究によると、高中性脂肪は冠動脈病症の危険因子だといわれています。活動粉瘤の発生や、前血栓階級の誘発を促進させるため。家族性高中性脂肪のように500ml/dlより、中性脂肪のレベルが高い時はすい臓炎を引き起こしやすい。
 肥満症は冠動脈障害に脅威な因子。流行病学の指針では、流行病気と記述するほど驚異的に広がっています。太りすぎは、心臓病症になる危険を二倍増加させます。
 特に注意が必要なのは、「腹部肥満」。腹部に積み上げられる脂肪は血液に悪玉コレステロール、低比重リポ蛋白、LDL─Cを高める物質を遊離。高比重リポ蛋白-善玉を減らすからです。肥満予防が、循環器の健康維持のために優先されるのは当然です。
 今世紀には死亡率で、肥満症がタバコを超えると予測されています。というのは、肥満症は心冠動脈管障害以外、糖尿病、高血圧症、リュウマチ、肺脂肪、凝固変更等の病疾を引き起こす危険があるため。
 最新情報によれば、肥満病はある種のがんの進行を促進。特に乳がん、卵巣、子宮経口癌、子宮内膜のようなエストロゲン依存類と呼ばれるがんや結腸癌が二五%、食道がんが三七%前後、リクスが高まります。前立腺がんのようなエストロゲンに依存しないものもあります。
 更年期後の女性では、肥満症は一・五~二倍ほどがんの発生を高めます。最新の研究によると、この段階の女性は標準体重から八キロオーバーするごとに、がんの発生率が一八%上昇することが分かりました。肥満によって、エストロゲンが過剰に形成されるため。乳房腺増殖を刺激しすると、悪性細胞が生まれる恐れも増加するわけです。
 幼児肥満は最近顕著化。八%~一〇%の数字を示しています。そのうち八〇%~九〇%が成人肥満者になると思われます。問題なのは治療が困難な上、早期に脂肪変化、糖尿病、脂肪炎、関節炎、脈炎高血圧症のような合併症を起こすこと。
 早期に治療を始めるよう、保護者を啓蒙していく必要があります。子供は生活慣習で覚え、理屈では覚えません。
 運動不足はやはり心脈管の危険要因であります。無活動な人は、身体的に活発な人(運動をする人)と比べると、心筋梗塞になる確率が四〇%、脳梗塞障害が五〇%高くなると認められています。
 多くの研究により、適度な運動は循環器障害による死亡率を減少。一方、運動不足は糖尿病、肥満症などの進行にも影響すると指摘されています。運動好きな女性は、乳がんの発生度を六〇%ほど減らすことが明らかにされており、更年期に達した女性にも同様なことが言えます。(つづく)